Noblelogisが、AIと自動化技術を活用した物流保管の高度化を進めている。恒温・恒湿の屋内保管サービス「NobleStorage」、ケージ型自動積載システム、画像ベースの自動見積もりシステムを柱に、コンテナ中心で運用されてきた保管業の非効率解消を狙う。2026年には売上高100億ウォンを目標に据える。
背景にあるのは、リフォーム需要の拡大に伴う保管ニーズの増加だ。高額な家電や家具、内装資材などを一定期間、安全かつ適切な環境で保管したいという需要が高まる一方、従来のコンテナ倉庫では温湿度管理や保管品質の面で対応に限界があるという。
Noblelogisは、こうした課題に対し、AIベースの物流・保管自動化技術でアプローチするスタートアップだ。チョン・ウジェ代表は、韓国の保管業が輸出入コンテナの再利用を起点に発展してきた経緯を挙げ、「コンテナ保管が長年、業界標準のように定着してきた」と説明する。米国、日本、欧州では屋内型セルフストレージが発展してきたのに対し、韓国では引っ越し慣行や低コスト重視の流れの中で、コンテナ保管が広がったという。
チョン代表は、15年以上のIT事業経験に加え、3PL物流センター長やコンテナ倉庫のマーケティング責任者などを歴任。その中で、保管業が抱える構造的な制約を認識し、創業に至ったとしている。リフォーム工事期間中には家財を約1カ月保管するケースが多いが、既存の引っ越し業者提携倉庫では、保管環境や品質面で不安が残るとみる。
同社が目指すのは、「屋内保管」と「自動化技術」を組み合わせた保管サービスの再構築だ。現在は3つの領域を中核に、技術開発とサービス高度化を進めている。
第1の柱は、保管サービス「NobleStorage」だ。国際基準に準じた屋内型の保管環境を整え、恒温・恒湿管理とセキュリティ、24時間モニタリングを提供する。保管後、リフォーム完了のタイミングに合わせて再配送するサービスも手掛ける。
第2の柱が、ケージ型自動積載システムである。倉庫内の空間利用の非効率や、人件費・作業時間の過大投入を改善するために開発を進めている。フォークリフト中心の運用に伴う安全リスクの低減も狙う。
第3の柱は、画像ベースの自動見積もりシステムだ。Noblelogisはこれを最も革新的な技術と位置付ける。物流見積もりの現場では、担当者の目視判断に依存したり、荷量の認識差から追加料金を巡るトラブルが起きたりするケースが少なくない。こうした非効率や顧客との摩擦を減らすため、AIによる見積もり自動化を進めている。
チョン代表は、「類似の試みは過去にも国内外であったが、現場で使えるレベルまで高度化できず、定着しなかった」と話す。AI活用では学習データの確保が成否を左右するが、この点で同社には強みがあるという。
同社は2023年3月の創業以来、写真ベースの非対面見積もりサービスを運営してきた。これまでに学習用の写真データを累計約10万枚、見積もりデータを約4000件蓄積したとしており、チョン代表は「多様な現場データをディープラーニングで学習させ、高度化できる条件を備えている」と強調する。2026年の商用化を目指して開発を進める。
事業面でも拡大が続く。創業から2年で首都圏の主要地域に直営拠点を10カ所構え、2025年にはプレAラウンドの資金調達を実施した。2026年上期には追加の資金調達も進めている。
また、韓国の中小ベンチャー企業部と創業振興院が支援し、漢陽大学が主管する「2025 創業中心大学」プログラムにも選定され、優秀企業として評価を受けたという。
2026年は事業規模の拡大を本格化させる方針だ。チョン代表は「拠点数を増やすより、各センターの規模を大きく拡張する計画だ」と述べた。
海外展開も視野に入れる。AI見積もり統合物流システムとケージ型自動積載システムを武器に、台湾、日本、シンガポールなどアジアの物流企業とPoCや事業協議を進めている。
同社は年次ロードマップも示している。2023年は恒温・恒湿体制の構築による保管品質の改善、2024年はケージ型自動積載システム開発による運用非効率と安全面の課題解決、2025年はAIベースの自動見積もりシステムの高度化に注力する計画だ。2026年にはプレミアム保管市場でのポジション確立を進め、売上高100億ウォンの達成を目指す。
チョン代表は「保管・物流サービスでは、プレミアム保管や特殊保管の比重が高まっている。自動化やAIベースの最適化ニーズも急速に拡大している」とした上で、「見積もり、積載、運用の全工程を自動化し、保管業を低価格・慣行型の産業から、品質と信頼を備えたインフラ産業へ転換していく」と語った。