KTが全顧客を対象に解約違約金の免除を決定した。写真=聯合ニュース

KTが移動通信サービスの全顧客を対象に解約違約金を免除する。MNP(携帯番号ポータビリティ)のハードルが下がることで、年初の移動通信市場で競争が再び活発化するとの見方が出ている。一方、足元のMNP件数は減少傾向にあり、影響は短期的にとどまる可能性もある。

KTは2025年12月30日、無断の少額決済を伴うハッキング事故を受け、契約解除を希望する顧客を対象に1月13日まで解約違約金を免除すると発表した。科学技術情報通信部が前日、KTの過失を認めたうえで全顧客への違約金免除を求めており、これを受けた措置となる。

免除は、2025年9月1日以降にすでに解約した顧客にも遡って適用する。

今回の決定を受け、業界では年初のMNP市場が波含みになるとの見方が出ている。違約金はMNPの大きな障壁とされてきただけに、KT利用者が他社の特典を比較しやすくなるためだ。

業界関係者は「違約金免除は市場心理を刺激する象徴的な措置だ。実際の流出規模とは別に、競合各社が注視せざるを得ない」と話す。

とりわけ年初は、通信各社が販促策を積極化しやすい時期とされる。端末流通法の廃止後、補助金規制が実質的に弱まったなか、LG UplusやSK Telecomが支援金の拡大に踏み切れば、KTからの流出が短期的に膨らむ可能性がある。

KTは違約金免除に加え、データ容量100GBの追加提供やローミング特典、コンテンツ利用券などを盛り込んだ「顧客謝恩プログラム」も実施する。ただ、USIMハッキングを経験したSK Telecomとは異なり、料金割引は打ち出さなかった。

業界では、この点がMNP動向を左右する要因の一つになるとみている。別の業界関係者は「料金割引という分かりやすいインセンティブがない。MNPに心理的な抵抗の小さい若年層にとっては、今回が乗り換えのきっかけになり得る」と指摘した。

特にデータ無制限プランの利用者は、MNPに動く可能性が相対的に高いとされる。KTの無線加入者に占める無制限プラン利用者の比率は約30%と伝えられている。

無制限プラン利用者にとって、データ追加提供は実質的な誘因になりにくい。無制限プランは若年層の利用比率が高い点でも、MNPに対する心理的ハードルは比較的低いとみられる。

もっとも、足元のMNP市場は縮小傾向にある。韓国通信事業者連合会(KTOA)によると、MNP件数は7月の約95万件をピークに、8月64万件、9月64万件、10月60万件、11月55万件と4カ月連続で減少した。

上半期のSK Telecomの事故に続き、8月にはKT、10月にはLG Uplusでもハッキング事故が相次いで明らかになったが、加入者流出は限定的だった。市場では「どこへ移っても安心できない」との認識から、MNP自体の有効性を低くみる見方も広がっている。

KTの今回の補償案については、収益への打撃を最小限に抑えたとの評価もある。経営面からみれば、避けがたい選択だったとの見方だ。

料金割引はARPU(1契約当たりの平均売上高)に直接響く。実際、SK Telecomは料金割引を含む補償策の影響で、第3四半期の営業利益が大きく落ち込んだ。

次期CEOの選任を控えるKTにとって、業績と株価の維持は重要な経営課題となる。

業界関係者は「年初から通信各社の綱引きが起きる可能性がある。1月の動きは、2026年のマーケティング競争と市場マインドを占う試金石になる」と述べた。

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