ステーブルコインが2026年に向け、世界の金融システムにおける決済インフラとして存在感を強めるとの見方が広がっている。決済網への統合や規制整備が進む一方、規制の不透明さによる市場分断や、トークン化預金との競争が今後の焦点となりそうだ。
Cointelegraphは12月30日(現地時間)、暗号資産分野の専門家20人の見解を基に、ステーブルコイン市場を左右する6つの変化を報じた。
専門家の間では、ステーブルコインが分散型金融(DeFi)だけでなく、既存の金融システムにおける決済手段としても定着する可能性が高いとの見方が出ている。Neuraの共同創業者、タイラー・スローン氏は「ステーブルコインは暗号資産市場の周辺的な存在ではなく、金融システムの中核になる」と指摘した。Open Worldの最高法務責任者(CLO)、ステファン・ダラル氏は、2026年にはステーブルコインが世界の決済ネットワークに統合され、国境をまたぐ取引の10%超を占めるとの見通しを示した。
規制面の整備も進むとみられる。Digital Sovereignty Allianceの専務理事、アドリアン・ウォル氏は、規制下にある米ドル建てステーブルコインが既存の決済システムに組み込まれ、銀行やフィンテック、小売業で活用が広がると予測した。
その一方で、規制の不確実性が市場の分断を招く可能性もある。CentrifugeのCLO、エリ・コーエン氏は、規制の差によってステーブルコイン市場が分断されれば、個人投資家がリスクの高い収益設計にさらされる恐れがあると警鐘を鳴らした。
新興国での普及拡大も見込まれている。Fassetの最高執行責任者(COO)、ダニエル・アハメド氏は、アフリカ、アジア、中南米ではステーブルコインが日常的な決済手段として使われ始めていると説明した。
一方、既存の金融機関では、トークン化預金がステーブルコインの競合として台頭する可能性がある。Upholdの最高経営責任者(CEO)、サイモン・マクロフリン氏は、トークン化預金について「ブロックチェーン上で既存の銀行預金をデジタル化しつつ、規制上の保護を維持できる」とした上で、ステーブルコイン市場を侵食し得るとの見方を示した。
ステーブルコインは2026年、単なる暗号資産の一形態にとどまらず、世界の金融インフラを支える要素として位置付けられる可能性がある。ただ、規制対応、市場の分断、トークン化預金との競争といった課題もなお残されている。