「人工知能の発展および信頼基盤の整備等に関する基本法」(AI基本法)改正案が30日、国会本会議で可決された。AI研究所の設立・運営の法的根拠を整えるほか、公共分野でのAI需要喚起、スタートアップ支援、人材育成、公共データの活用促進、利用困難層への支援などを柱とする。
施行は2026年1月22日を予定する。公共分野での導入を通じてAI産業のイノベーションを促し、障害者や高齢者などAI製品・サービスの利用に困難を抱える層のアクセス向上も後押しする。
改正案では、国家AI戦略委員会の法的根拠を明確化した。あわせて審議・議決機能を強化し、国家AI政策の司令塔として位置付けた。
AI研究所については、設立・運営の根拠規定を新たに整備した。公共分野でのAI活用を広げて需要を創出するため、国家機関などが業務に必要な製品やサービスを調達する際、AI製品・サービスを優先的に考慮することも定めた。
また、AI製品・サービスを導入した機関で損害が発生した場合でも、購入・利用を担当した職員については、故意または重大な過失がない限り、当該機関に対する賠償責任を免れる根拠を設けた。
スタートアップ支援策も盛り込んだ。中央行政機関の長は、中小ベンチャー企業部長官と協議した上で、ベンチャー投資母基金を活用し、AI分野の創業を支援するためのAI創業支援ファンドを組成できるようになる。
このファンドには、国や自治体に加え、一般国民も参加できる国民ファンドを設けることも可能とした。
さらに、法第6条に基づくAI基本計画の策定時には、公共データを学習用データとして提供するための基準や範囲を盛り込むことを明記した。公共データの活用を後押しする制度基盤を整える狙いがある。
AI専門人材の育成・支援の根拠も明文化した。あわせて、AI製品・サービスの利用に困難を抱える層のアクセシビリティー確保と、低所得層への費用支援の根拠も設けた。障害者や高齢者などの意見を国家AI政策の開発・策定過程に反映するよう定め、経済的な事情でAI製品・サービスを利用しにくい国民に対し、国や自治体が費用を支援できるようにした。
改正案は今後、国務会議と大統領の裁可を経て、AI基本法の施行日に合わせて施行される。ただし、AI基本法施行令の改正が必要な「AI分野の創業活性化支援」「公共分野のAI需要創出」「利用困難層への費用支援」に関する規定は、改正案の公布から6カ月後に施行する。
ペ・ギョンフン副首相兼科学技術情報通信部長官は「今回のAI基本法改正案の国会通過は、国内AI産業の発展に向けて政府と国会が協力して成し遂げた意義ある成果だ」と述べた。その上で「AI基本法が国内AI産業の発展を支える確かなパートナーとなるよう支援していく」とした。