Tiger Researchは12月30日、2026年の暗号資産市場に関する予測レポートを公表した。機関投資家の存在感が高まるなか、資金はビットコインやイーサリアムなど主要銘柄に集中し、従来のようなアルトコイン全般への資金波及は弱まると見込んでいる。
同社は、こうした環境下ではプロジェクトが生き残るうえで、実際に収益を生み出せるかどうかがこれまで以上に重要になると指摘した。
レポートによると、今年上場したプロジェクトの85%超が価格下落を経験した。これを踏まえ、話題性だけでは市場で生き残れないことが改めて示されたとしている。複雑なユーティリティ重視のトークノミクスは機能しにくくなり、バイバックやバーンを通じて価値を直接還元する仕組みこそが、投資家の評価につながると分析した。
業界再編の動きも強まる見通しだ。Tiger Researchは、暗号資産業界が成熟局面に入り、市場支配力を確保する競争が激化していると指摘。そのなかで最も効率的な手段がM&Aだとし、有力プレーヤーを軸に買収・統合が加速し、実際に利益を生み出す事業主体中心の再編が進むと予測した。
既存産業によるブロックチェーン分野への参入も本格化するとみている。RWA(実物資産のトークン化)市場では、既存の金融機関が独自のブロックチェーンを構築し、主導権を自ら握る可能性が高いとした。資産を直接管理すべき金融機関にとって、外部プラットフォームを使う必然性は乏しいとの見方を示した。
流通チャネルにも変化が起きるとみる。規制の明確化を背景に、フィンテックアプリが取引所に代わる暗号資産の主要な接点になると予測した。さらにメディア各社は、収益源の多角化策として予測市場を導入し、読者がニュースの帰結に直接賭ける新たな参加形態を試す可能性があるとした。
技術面では、ロボティクスとプライバシー技術の進展を挙げた。ロボット学習に必要な実地データへの需要と、ブロックチェーン基盤のクラウドソーシングが結び付くことで、新たなギグエコノミーが形成されると分析している。
また、機関投資家の流入が本格化するにつれ、プライバシー技術の重要性も一段と高まると指摘した。Tiger Researchは「巨額の資本を動かす機関投資家は、取引の動きがリアルタイムで可視化されることを望まない」としたうえで、「取引情報を保護するセキュリティ技術は、制度圏マネーの流入を支える不可欠なインフラになる」と強調した。