Coupangの個人情報漏えい問題を巡る合同聴聞会(写真=聯合ニュース)

韓国国会の科学技術情報放送通信委員会は30日、Coupangの個人情報漏えい問題を巡り、6つの常任委員会による合同聴聞会を開いた。25日に同社が公表した自社調査結果について、技術的な裏付けの弱さや政府機関との連携の実態を疑問視する指摘が相次いだ。

聴聞会では、Coupangが提示した調査結果の根拠が主な争点となった。議員側は、同社が示した証拠には技術面で不明確な点が多いと批判。政府側も、捜査や調査が終わる前に同社が結論を先に示した対応に問題があるとの認識を示した。

特に焦点となったのは、押収・確保されたノートPCのデジタルフォレンジックだけで漏えい範囲を特定できるのかという点だ。

改革新党のイ・ジュンソク議員は、大量の個人情報へのアクセスが前提となる事案で、単一のノートPCの解析結果のみを根拠に流出範囲を絞り込めるのかと疑問を呈した。

イ議員は、数千万件から数億件規模の構造化データがやり取りされた可能性を前提にすれば、MacBook Airのような個人端末で直接クロールし保存したという説明は、技術的な説得力を欠くと指摘。実際のデータはオンラインサーバー上にあり、当該ノートPCはアクセス用の端末にすぎなかった可能性が高いとの見方を示した。

その上で、ノートPCの解析結果だけをもとに漏えい規模を「数千件」に限定して公表したことについて、事案の実態を過小に見せる説明になりかねないと批判した。アクセス範囲や保存範囲、外部送信の可能性といった主要論点が十分に検証されていないという趣旨だ。

これに対し、Coupangで最高情報保護責任者(CISO)を務めるブラッド・マティス氏は、「いかなる可能性も否定できない」と回答した。クロール直後に外部サーバーへ送信された可能性や、別経路で保存された可能性を排除できないことを認めた形となった。

政府側からも同様の問題意識が示された。ペ・ギョンフン副首相は、ノートPC内の情報だけで全体を適切に分析できるとは考えにくいと述べ、別のコンピューターやクラウドサーバーなどを経由した保存・流出の可能性に言及した。

さらに、必要な分析をすべて終えた後に調査結果を公表すべきなのに、Coupangが先に結論を示したのは不適切だと批判した。

聴聞会では、ノートPCを巡る経緯そのものにも疑問の声が上がった。

祖国革新党のイ・ヘミン議員は、Coupangの発表文で「政府」という語が繰り返し使われている点を問題視した。「Coupangの発表では『政府』という単語が42回出てくる」と指摘し、政府との連携を強調することで責任の所在をぼかそうとしているのではないかとの見方を示した。

イ議員は証拠隠滅の可能性にも言及した。「Coupangのロゴが入ったエコバッグにノートPCを入れて水に沈めたという話を、自作自演ではなく事実として受け止める人がどれほどいるのか」と述べ、海外のコミュニティでも嘲笑の対象になっていると主張した。

また、同議員はキム・ボムソク氏(Coupang Inc取締役会議長)ら経営陣への圧力を強める必要があるとして、米国内国歳入庁(IRS)との連携にも言及した。米国側の対応があってこそ経営陣が動くとして、韓米租税条約などを根拠に韓国国税庁がIRSと協力すべきだと求めた。

これに対し、イム・グァンヒョン国税庁長は「米国の内国歳入庁と連携できる部分は最大限対応する」と述べた。

Coupangが主張する政府機関との連携を巡っても、事実関係をただすやり取りが続いた。

イ・ヘミン議員は、国家情報院がCoupangの自社調査に関与したのではないかと追及した。国家情報院の指示や介入の枠組みの中で、省庁間の対立のように見せかけているのではないかとの趣旨で、Coupang側をただした。

これに対し、ペ副首相は、プラットフォーム企業の所管省庁は科学技術情報通信部だとした上で、同部が何らかの指示を出した事実はないと述べ、不快感を示した。国家情報院との連携を巡る疑惑についても、自社調査や結論の取りまとめに関与したわけではなく、海外にあった関連資料を国内へ移送する過程で、セキュリティーや手続き面の協力をしたにとどまると説明した。

このほか、共に民主党のファン・ジョンア議員、キム・ヨンベ議員らも、政府連携の事実関係をCoupang側に追及した。Coupangの暫定代表を務めるハロルド・ロジャース氏は、「政府機関が当社に指示し、それに従った」と述べた上で、「なぜこの事実を韓国国民に知らせないのか」と訴えた。

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