画像=ChatGPT

2025年のデジタル資産市場は、米国を中心とした制度整備の進展を背景に拡大した。なかでもステーブルコインは発行と決済の両面で裾野を広げ、トークン化国債やトークン化預金といった分野でも、ブロックチェーンと既存金融の接点が一段と強まった。

◆米制度整備が市場をけん引

2025年の最大の材料は、ドナルド・トランプ第2期政権の発足と、米国でステーブルコイン規制を柱とする「Genius法」が成立したことだ。あわせて、デジタル資産市場透明性法案(CLARITY)も2026年初めの成立が見込まれている。

トランプ政権下で規制緩和と制度化が進むとの期待を受け、暗号資産市場は年を通じて堅調に推移した。10月以降は下落に転じたものの、ビットコインは7月に12万ドルまで上昇。イーサリアムなど主要アルトコインも上昇基調を維持した。

韓国でもデジタル資産の制度化を巡る動きは一部で前進したが、市場の期待には届かなかった。

仮想資産利用者保護法の施行により、取引所の資産分別管理や内部統制の強化は比較的早い段階で定着した。法人投資を認める段階的なロードマップも示され、これまで「影の規制」とされてきた一部の制約も緩和された。

一方で、2段階立法とされるデジタル資産基本法の議論は停滞したままだ。ステーブルコイン制度を巡っても、発行主体や監督権限、中央銀行の役割を巡る省庁間の隔たりは埋まらなかった。

◆ステーブルコイン参入が拡大、グローバル金融の変数に

米国でGenius法が成立したことを受け、暗号資産業界に限らず、ステーブルコイン市場への参入や参入準備の動きが相次いだ。

米ドル連動型ステーブルコイン市場では、すでに多くの事業者が競い合う構図となっており、足元では米国の州政府も発行に動いている。

DeFiデータプラットフォームのDefiLlamaによると、12月中旬時点のステーブルコイン総供給量は約3100億ドルと、年初比で50%超増えた。

発行体の主導権争いも激しくなっている。Circleは独自レイヤー1チェーン「Arc」を投入し、StripeはVCのParadigmと組んで「Tempo」を展開した。Tetherは「Stable Chain」と「USDT0」によるマルチチェーン戦略を打ち出し、MetaMaskやPhantomなどのウォレット各社も独自のステーブルコインを投入した。

企業による採用も広がった。PayPalのPYUSDは数十億ドル規模に成長し、Shopify、Klarna、Visa、Mastercardなど主要フィンテック各社も、ステーブルコイン決済機能の導入や実証を進めている。

VisaとMastercardは海外での暗号資産決済事業の拡大を急ぐとともに、関連業界への買収や投資にも積極姿勢を示している。新興国でステーブルコインの利用が広がるなか、暗号資産を活用して従来のクレジットカードネットワークを迂回する動きへの対応との見方が出ている。

既存金融でも動きが目立った。Sony Financial Group傘下のSony Bankは、2026年度から米国で米ドル連動型ステーブルコインを発行する計画だ。Sonyは自社エコシステム内のコンテンツ決済手段としての活用を想定しており、米国の顧客がビデオゲームやアニメ、サブスクリプションサービスを購入する際、従来のカード決済に代わる手段とする方針という。

これまで米ドル連動型ステーブルコイン市場は、TetherとCircleによる寡占色が強く、両社合計のシェアは80%水準に達していた。大手企業の参入がこの勢力図をどう変えるかに注目が集まっている。

◆ブロックチェーンと既存金融の融合が加速

2026年のデジタル資産市場では、既存の金融機関の動きがさらに注目を集めそうだ。

伝統的金融はこれまで、AMLやレピュテーションリスクを理由に、暗号資産企業との取引を制限する「デバンキング」の慣行を維持してきた。ただ、足元では金融とデジタル資産の接点を広げる動きが強まっており、この流れは2026年も続く見通しだ。

2024年1月に2億ドル未満だったトークン化国債市場は、2025年末には70億ドルに迫り、50倍超に拡大した。機関投資家のオンチェーン利回りへの関心拡大も成長を後押しした。

代表例がBlackRockのBUIDL(USD Institutional Digital Liquidity Fund)だ。短期米国債に投資しながら日次収益を提供し、オンチェーン決済機能も備える。BUIDLの運用資産は約20億ドル。このほか、CircleのUSYC(USD Coin Yield)、Superstateの「米国債トークン(USTB)」、Ondo Financeの「短期米国政府債券ファンド(OUSG)」なども市場拡大を後押ししている。

トークン化国債に続き、ブロックチェーン上で発行される銀行預金のデジタル版に当たるトークン化預金でも、金融機関の取り組みが加速している。

JPMorganは2024年、ブロックチェーン部門を「Kinexys」に刷新し、暗号資産プロジェクトにとどまらない決済・流動性管理プラットフォームへと機能を広げた。Citigroupも「Citi Token Services」を発表し、トークン化預金を金融システムに組み込んだ。

JPMorganは機関投資家向けにJPMコインの仕組みも展開している。JPMコインはブロックチェーン基盤で24時間のリアルタイム送金を可能にするもので、預金トークンとしての性格を持つ。

HSBCも2026年に米国とアラブ首長国連邦(UAE)でトークン化預金(Tokenized Deposit)を提供する。

キーワード

#デジタル資産 #ステーブルコイン #トークン化資産 #ブロックチェーン #ビットコイン #イーサリアム #米国
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.