国際決済銀行(BIS)の統計によると、韓国の家計部門の総負債元利金返済比率(DSR)は2025年4〜6月期末に11.4%となり、7四半期連続で低下した。2020年10〜12月期末の11.3%以来、約5年ぶりの低水準となった。
DSRは、家計の所得に対する元利金返済負担の大きさを示す指標。韓国では2023年7〜9月期末に12.3%と、統計開始以来の最高水準を記録した後、2025年4〜6月期末まで低下が続いた。
2024年1〜3月期末の11.9%までは四半期ごとに0.2ポイントずつ、その後は0.1ポイントずつ低下した。この間は家計債務の増加が続いたものの、所得の増加に加え、貸出金利の低下や返済構造の変化などが影響したとみられる。
各国との比較では、韓国の家計DSRは米国の8.0%、英国の8.7%、日本の7.7%を上回った一方、ノルウェーの21.1%、オーストラリアの16.3%、カナダの13.9%は下回った。BIS統計の対象17カ国中では7番目の水準だった。
2025年7〜9月期と10〜12月期については、家計債務の増加ペース鈍化、韓国銀行による4会合連続の政策金利据え置き、市場金利の上昇などがDSRに影響する見通しだ。
一方、韓国の信用ギャップは2025年4〜6月期末にマイナス5.7ポイントとなった。信用ギャップは、名目GDPに対する民間信用(家計・企業債務)比率が長期トレンドからどの程度乖離しているかを示す債務リスク指標だ。
信用ギャップがプラスであれば、GDP比の民間信用比率が長期トレンドを上回っていることを意味し、マイナスであれば下回っていることを示す。マイナス幅の拡大は過剰債務の正常化と受け止められる一方、景気後退や信用収縮の兆候となる場合もある。
BISは信用ギャップが10ポイント超を「警報」、2〜10ポイントを「注意」、2ポイント未満を「通常」に分類している。
韓国の信用ギャップは、コロナ禍の2021年1〜3月期末に15.6ポイントと、1972年の統計開始以来の最高水準を記録した後、低下基調が続いてきた。2023年10〜12月期末の3.5ポイントから2024年1〜3月期末には0.2ポイントへ低下して通常水準に入り、2025年4〜6月期末までマイナス圏を維持した。
2025年4〜6月期末のマイナス5.7ポイントは、2006年7〜9月期末のマイナス8.7ポイント以来、約19年ぶりの低水準だった。
ただ、GDP比の家計債務比率は2025年1〜3月期末の89.5%から4〜6月期末には89.7%へ小幅に上昇した。2022年4〜6月期末の98.0%以降、低下基調が続いていたが、3年ぶりに上昇へ転じた。
同期間の非金融企業債務比率は111.3%から110.8%へ低下した。GDP比の政府債務比率は2025年4〜6月期末に47.8%となり、前期の47.2%に続いて2四半期連続で過去最高を更新した。