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米国の小売業界で、後払い決済(BNPL)の導入が広がっている。高金利環境に加え、消費減速への懸念が強まるなか、販売を下支えする手段として活用が進む一方、利用者の債務増加や延滞率の上昇を懸念する声も強まっている。

BNPLは、購入代金を分割して支払える仕組みだ。消費者が一度に大きな負担を負わずに買い物しやすくなることから、利用が広がっている。

Forbesの最近の報道によると、PayPalのBNPLを導入した加盟店では、平均注文額が91%増加した。

市場競争も激しくなっている。Forbesは、PayPalのほか、Afterpay、Affirm、Klarna、Zip、Splitit、Sezzleといった主要事業者が市場をけん引しており、大手カード会社も類似サービスの拡充を進めていると伝えた。

一方で、BNPLの利用が資金繰りに余裕のない消費者層に広がっていることを不安視する見方もある。連邦準備銀行の調査では、BNPL利用者の55%が過去に利用経験があり、22%が現在も残高を抱え、19%が直近1年間に複数のBNPLサービスで借り入れをしていた。

これまでBNPLローンは、信用情報に反映されにくい「見えない債務」とされてきた。しかし近年は、主要な信用評価機関が関連データの収集を進めており、信用情報の枠組みに取り込まれ始めている。同時に、米上院銀行委員会に所属する議員らは主要BNPL企業に書簡を送り、利用者情報の取り扱いと商品内容の透明性向上を求めた。

BNPLが低所得層の生活必需品の購入手段としても広がっていることから、家計悪化につながるリスクを懸念する声もある。

連邦準備制度理事会(FRB)は、BNPL利用者のクレジットカード債務が、同じ信用スコアの非利用者に比べて平均871ドル(約13万円)多いと指摘した。とりわけZ世代とミレニアル世代では、クレジットカードよりBNPLを選好する傾向がみられ、延滞率は最大57%に達した。

FRB理事のマイケル・バー氏は「BNPLは債務の罠だ。延滞率は25%まで上昇しており、持続可能なモデルではない」と警告した。

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