KTは12月11日、Samsung Electronicsと共同開発したAIを活用する無線アクセスネットワーク(AI-RAN)について、商用網での技術検証に成功したと発表した。
AI-RANは、基地局が端末と送受信するデータをリアルタイムで分析し、利用者ごとに最適なネットワーク環境を提供する次世代技術。KTとSamsung Electronicsは2023年から共同研究を進めており、今年はNVIDIAを含む複数社で業務協約を締結し、GPUベースのAI-RAN研究開発も本格化している。
今回の検証は京畿道ソンナムの商用網で実施した。AI-RANを適用したネットワークの利用者は1日平均1万8000人に上り、検証の結果、一部利用者で繰り返し発生していたセル間移動時の通信途切れなどの問題が大幅に減少したことを確認したという。
さらに、類似した移動パターンを持つ他の利用者でも通信品質の改善が見られ、セル全体のネットワーク品質向上につながったとしている。
両社は、今回の実証がAI-RANの有効性を実際の商用環境で示した事例だとみている。従来、国内外の通信網では主にセル単位でネットワークを最適化してきたが、この方式では同じセルに接続する利用者に一律の設定値が適用されるため、個々の利用状況や特性をきめ細かく反映しにくいという課題があった。
これに対し両社は、利用者単位で通信品質を最適化する手法を採用した。信号強度や通信品質の変動といったリアルタイムデータを活用し、問題発生の可能性を事前に予測したうえで、各利用者の状況に合わせた最適な設定値を適用する仕組みだとしている。
Samsung ElectronicsのSamsung Researchの次世代通信研究センター長(副社長)、チョン・ジングク氏は「AIが実際の通信網で利用者体験の向上につながることを明確に確認できた重要な成果だ」とコメント。「両研究所は継続的な技術高度化と検証を通じて、AIを中心とした未来通信技術をリードしていく」と述べた。
KT未来ネットワーク研究所長(専務)のイ・ジョンシク氏は「今回の検証は、AIがネットワーク運用を利用者中心へと革新し得る可能性を示した成果だ」としたうえで、「KTはSamsung Electronicsとともに個別最適化技術の高度化を進め、安定的で途切れのないサービス提供と6G中核技術の確保を主導していく」と語った。