画像は11月26日に配信された「AION 2」のライブ放送。ソ・インソプ事業室長(左)とキム・ナムジュン開発PD(画像=AION 2公式YouTubeより)

NCsoftの新作MMORPG「AION 2」が、サービス初期の課金論争や接続障害を受けた運営対応の見直しで持ち直している。開発陣による相次ぐライブ配信と仕様改善を通じて、DAU(1日当たりのアクティブユーザー)は150万人に到達。売上の9割超がPCの自社決済経由となる収益構造も、証券各社から評価を集めている。

業界では今回のヒットを、単なる新作の成否にとどまらない出来事とみる向きが強い。いわゆる「リネージュ型」と見なされてきた従来イメージから脱し、NCsoftが掲げてきた体質改善が市場で通用するかを占う最初の試金石と受け止められているためだ。

NCsoftは11月19日、「AION 2」を韓国と台湾で同時リリースした。サービス開始直後は接続障害に加え、一部有料パッケージを巡る批判も広がったが、発売から1週間で累計売上高は約250億ウォン(推定)、作成キャラクター数は252万、PCバンでのシェアは上位5位圏に入るなど、初動指標は堅調に推移した。

流れを変えたのは、ユーザー対応の姿勢だ。NCsoftは発売から1週間で計4回の緊急ライブ配信を実施し、発生した問題や改善方針を説明した。従来は沈黙気味だった対応と比べ、今回は前面に出て説明責任を果たした点を評価する声が出ている。

象徴的だったのが11月26日の4回目の配信だ。定期メンテナンス直後、「アビス回廊」のバグ悪用が問題になると、開発陣は配信で、悪用したユーザー2440人を7日間の利用停止とし、不正利得は全て回収すると発表した。ダンジョン入札システムを悪用し、ゲーム内財貨を現金化しようとしたRMT業者疑いのアカウント80件については、永久停止とした。

一方で、制裁運用では柔軟さも示した。NCsoftは27日の告知で、一部制裁アカウントの解除を発表し、「意図的な悪用と断定しにくい例外が確認された」と説明。同日夜の追加告知では、「異なる3つの回廊に各1回ずつ正常入場したケースは意図的悪用とみなしにくい」として、解除基準も具体的に示した。その一方で、同日にはRMT業者疑いの84アカウントに対して6回目の制裁を実施しており、厳格な原則と個別救済を併用する姿勢を打ち出した。

不利な事案も隠さず開示する姿勢は、今回の変化を象徴している。27日の新規サーバー開設前に起きた不自然なキャラクター作成問題については、「ハッキングではなく、内部設定ミスと遮断設定の不備に起因する脆弱性だった」と説明。不要な憶測の拡大を抑えた。点検後にフレンドリストが初期化される不具合が発生した際も、即座に謝罪し、補償方針を示した。

配信中、キム・ナムジュン開発PDが「次の放送ではひげを剃って出る」と語った場面も話題を呼んだ。ひげを整える時間もないほど対応に追われている様子が伝わり、ユーザーの間では切迫感が共有された。NCsoftは安定運用を優先し、当初26日に予定していた新規サーバーの開設を1日延期するなど、拡張よりも足元の立て直しを優先した。

収益構造にも変化が見える。NCsoftが公表した指標によると、「AION 2」の売上の90%以上はPCの自社決済プラットフォーム経由で発生した。最大30%に達するアプリマーケット手数料の圧縮を狙ったものとみられる。

このため、モバイルのアプリマーケットにおける売上ランキングは競合タイトルより低めに映ったが、実際の収益性はむしろ改善したとの分析が出ている。

証券各社の見方も総じて前向きだ。Shinyoung Securitiesは、2026年時点で「AION 2」の手数料削減効果だけで1000億ウォンに達すると試算し、目標株価を31万ウォンに引き上げた。NH Investment & Securitiesは11月28日、「AION 2」の実績は安定しているとしたうえで、今月から「Lineage M」「Lineage 2M」「Lineage W」など既存タイトルにも自社決済システムを導入すれば、全社の支払手数料を1121億ウォン削減できると分析した。Korea Investment & Securitiesのチョン・ホユン研究員は、「初期の論争に迅速に対応し、ユーザー信頼回復の第一歩をうまく踏み出した」と評価した。

「AION 2」が注目を集める背景には、NCsoft経営陣の反省もある。イ・ソング副社長はG-STAR 2025の会場で、「根本的に間違っていた点が多く、これまでの積み重ねの結果が今の状況だ」としたうえで、グローバルスタンダードに合った「健全な収益モデル」を目指すと述べていた。

「AION 2」では、確率型アイテムの比重を抑え、月額2万ウォン台のメンバーシップ、バトルパス、外見中心の課金モデルを導入した。論争となった課金パッケージは削除し、ユーザーフィードバックを反映してゲーム内財貨の獲得量を引き上げるなど、運営方針の修正も進めている。

業界関係者は、「発売初日の株価急落と返金騒動を経て、1週間で安定局面に入ったのは、迅速な対応と透明性の高い運営が奏功したためだ」とみる。

もっとも、問われるのは持続性だ。今後投入する「Horizon Steel Frontier」などの次期作でも、こうしたユーザー志向の方針を維持できるかが焦点になる。

チョン・ホユン研究員は、「良質なゲーム開発と合理的なビジネスモデルという2つの基本を積み重ね、信頼を回復していくことが長期課題だ」と指摘した。

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