【バルセロナ=デジタルトゥデイ イ・ジンホ】LGは、グループ横断の「One Team LG」戦略のもと、AIインフラと独自AIモデルの強化を加速する。3月1日、MWC 2026の開幕を前にスペイン・バルセロナで記者説明会を開き、200MW級のAIデータセンター構想と、AIモデル「EXAONE」の高度化方針を明らかにした。
LGは、インフラ、プラットフォーム、サービスをまたぐ総合的なAIエコシステムの構築を進める方針だ。グループ各社の技術と事業基盤を結集し、シナジー創出につなげる考えを示した。
LG Uplusのイ・サンヨプCTOは、「実社会で役立つAIには、強力なインフラと接続技術が欠かせない」と述べたうえで、「LG Uplusを含むOne Team LGとして、国内最大級のAIデータセンターの整備を進めている」と説明した。
◆AIDCとEXAONEでAI基盤を強化
LGは、AIインフラを軸にグループ横断の連携を強める。LG Uplusが坡州で建設を進めるAIデータセンター(AIDC)は、設備容量200MWで首都圏最大級となる見通し。2027年の竣工を予定し、最大12万基のGPUを収容できる設計とした。LG Electronics、LG Energy Solution、LG CNSなど系列各社の中核技術を結集する「One Team LG」の拠点と位置付ける。
あわせて、LG AI研究院の「EXAONE」、LG Uplusの法人向けAIプラットフォーム、FuriosaAIのNPUを組み合わせ、K-AIとK-Semiconductorのシナジー創出につながるインフラ像も示す方針だ。
独自AIモデル「EXAONE」の開発も加速する。LG AI研究院の共同研究院長を務めるイム・ウヒョン氏は、国家代表モデルとして開発を進める「K-EXAONE」を世界最高水準へ引き上げる考えを示した。
同氏によると、政府の「独自AIファウンデーションモデル」第2段階評価に進んだK-EXAONEを、世界トップ水準のオープンウエート型言語モデルへ高めることが目標。まず第2次評価までは大規模言語モデル(LLM)の性能向上に注力し、その後はビジョン言語モデル(VLM)などマルチモーダルへの拡張を本格化する。
LGは、AIファウンデーションモデル開発での主導権確保、専門分野に特化したAIの強化、産業現場を中心とする適用拡大、持続可能なAIに向けた信頼性と安全性の確保――の4つを柱にEXAONE開発を進める。LG AI研究院は2026年上期に「EXAONE 4.5」を公開する計画だ。
イム氏は「最終的な目標は世界最高水準のAIモデルを作ることだ」と述べ、「専門領域に最適化した高度化を継続している」と語った。
◆LG Uplus、エージェンティックAIと音声AIを前面に
LG Uplusは、2025年に掲げた「セキュアAI」に続き、2026年は「エージェンティックAI」と「ボイスAI」を前面に打ち出し、通信分野での差別化を進める。イ氏は「実際の課題を解決できる進化の仕組みが重要だ」と述べ、「それを実装するエージェンティックなアーキテクチャが中核になる」と強調した。
同社は、エージェンティックAIをリアルタイムで稼働させるハイブリッドAIインフラアーキテクチャを構築し、LG AI研究院との連携を通じて、ファウンデーションモデルの現場実装を加速する方針だ。とりわけ通信事業者の強みである音声領域を軸にAIサービスを高度化し、最終的には行動につながるフィジカルAIへと展開する構想を描く。
イ氏は「LG UplusはLG AI研究院とワンチームで動き、エージェンティックAIの標準を提示していく」と述べたうえで、「顧客がいつでもどこでも『LGのAIは自分を本当によく理解している』と実感できる体験を提供し、市場構造を変えていく」と語った。