ウィリアム・ムガヤール氏。写真は同氏のLinkedInより

Ethereumが再び注目を集めている。2026年に入ってからの2カ月で、コア開発チームは技術ロードマップを大幅に前倒しした。加えて、グローバル大手銀行3行がEthereum基盤のネットワーク上でトークン化債券を直接発行すると表明している。

ブロックチェーン投資家で作家のウィリアム・ムガヤール氏は最近、X(旧Twitter)への投稿で、こうした動きを「Ethereumのルネサンス」と表現した。

同氏によれば、足元の変化を支える中核は「統合」にある。プラットフォームチームはレイヤー1とレイヤー2の統合を進めており、開発の優先課題はスケーラビリティ、ユーザー体験(UX)、セキュリティ強化に置かれているという。

開発者の間では、「断片化の問題は終わった」との見方も出ている。クロスL2通信の新たな標準整備が進み、ユーザーはチェーンの切り替えを意識することなく、Base、Arbitrum、Optimismの間を移動できるようになったという。

ムガヤール氏は、こうした流動性の統合がEthereumルネサンスを支える基盤になっていると強調する。Ethereumエコシステムの日次アクティブアドレスは過去60日で40%増加しており、同氏はこれを投機的な売買ではなく、実利用の拡大によるものだとみている。

機関投資家が注目する材料として、Ethereumの「Lindy Effect」も挙げた。長く存続してきた技術ほど、今後も長く生き残る可能性が高いという考え方だ。

同氏は、実証されてきたセキュリティと分散型の構造を背景に、兆ドル規模の資産を運用する機関がEthereumを唯一の選択肢とみていると述べた。

技術面での進展にも言及した。ERC-8004標準のリリースにより、EthereumはAIエージェント経済における「Truth Layer」として機能し得る基盤を整えたと説明している。

また、Ethereum Foundationのトレジャリー・ステーキング・イニシアチブについては、機関投資家による採用の面で成熟段階に入ったことを示すものだと評価した。データ処理量は10倍に拡大し、ゼロ知識証明の技術はプライバシーと匿名性を利用者レベルで確保するとしている。

さらに、長期的な方向性を示す「ストローマップ(Strawmap)」の青写真も用意されているという。1秒未満の取引ファイナリティと、ユーザーが意識しないレベルのスケーリングを組み合わせる構想だとした。

ムガヤール氏は、今回のルネサンスは単なる速度や手数料の改善にとどまらないとみる。Ethereumを、文明規模の価値移転を支える決済レイヤーとして成立させるだけの安全性を備えつつ、ユーザーの自己主権とサイファーパンクの理念を守るインフラへと位置付ける動きだと述べた。

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