世界的な流動性が急拡大するなかでも、ビットコインは上値の重い展開が続いている。ブロックチェーンメディアのBeInCryptoは2月27日、世界の通貨供給が過去最高を更新する一方で、金は上昇し、ビットコインは投機需要の弱さから伸び悩んでいると報じた。
世界の通貨供給は2025年12月時点で144兆ドルに達し、過去最高を更新した。前年同月比では13兆6000億ドル増え、伸び率は10.4%だった。
新型コロナウイルス禍以降では、通貨供給は44兆ドル拡大した。この期間の増加率のピークは2021年2月の18.7%だった。
こうした流動性拡大を背景に、金は堅調に推移している。Fidelityのグローバルマクロディレクター、ジュリアン・ティマー氏は「金は短期的な調整局面でも押し目買いが入りやすく、典型的な強気相場が続いている」と分析した。
一方、「デジタルゴールド」とも呼ばれるビットコインは軟調だ。ティマー氏は「金は安全資産としての性格が強いが、ビットコインは投機色が濃く、流動性が増えるだけでは上昇しにくい」と指摘した。
同氏によると、ビットコインは流動性拡大に加え、投機需要が重なって初めて大きく上昇しやすくなる。金がいわゆる「ハードマネー」としての性格を持つのに対し、ビットコインは将来のハードマネーとしての側面と投機資産としての側面を併せ持つという。
ソフトウエア・SaaS指数と通貨供給の増加をあわせて分析すると、投機性が後退する局面では、流動性拡大がビットコインに与える押し上げ効果は限定的だとしている。
過去には、流動性の増加と投機需要の拡大が重なった局面で、ビットコインの強い上昇局面が形成された。ただ足元では流動性が増えているにもかかわらず、投機市場は弱い。世界市場では資金余剰が続く一方、投機心理は冷え込んでおり、その結果として金は上昇し、ビットコインは伸び悩む構図になっているとBeInCryptoは伝えた。
ティマー氏は「流動性は十分に拡大している一方、投機は弱気相場にある。その結果、金と通貨供給が上昇するなかでも、ビットコインは停滞している」と述べた。BeInCryptoは、世界的な流動性の増加だけでは暗号資産市場の上昇は保証されず、ビットコインが再び上向くには投機需要の回復が必要だと報じた。