画像=Nexonの「MapleStory R」

モバイルゲーム市場で、放置系RPGが再び存在感を強めている。MMORPG中心の収益モデルが頭打ちとなるなか、30〜40代の課金層化や開発費の抑制ニーズが重なり、各社が相次いで参入しているためだ。一方で、業界では「IPだけでヒットは保証できない」との見方も強く、最終的な成否はジャンルに合った成長・報酬設計にかかっている。

業界関係者によると、Nexonの「MapleStory R」は先月、Google Play ストアの売上ランキングで首位を奪還した。2025年11月の配信開始から45日で累計売上1500億ウォンを記録したヒット作だが、その後は能力値や確率型アイテムの適用不具合が発生。Nexonは1300億ウォン規模の全額返金に踏み切った。

日次アクティブユーザー数(DAU)は急減し、中国製カジュアル戦略ゲームに売上首位を譲る場面もあったが、その後は早期に持ち直した。大きな悪材料にもかかわらずユーザー基盤を維持できた背景には、20年以上にわたって蓄積してきた「MapleStory」IPの根強い支持があるとみられている。

◆なぜ今、放置系RPGなのか

韓国ゲーム各社が放置系RPGへのシフトを強める背景には、MMORPG市場の構造変化がある。グローバル市場で競争が激化する一方、人件費や技術コストは上昇しており、大型タイトル偏重の開発戦略はリスクが高まっている。

これに対し、放置系RPGは開発期間が比較的短く、運営コストも抑えやすい。低コストで安定収益を狙いやすいジャンルとして、改めて注目を集めている。

韓国ゲーム業界が放置系RPGに本格参入するきっかけとなったのが、2023年に投入されたNetmarbleの「Seven Knights Idle Adventure」だ。業績低迷が続いていたNetmarbleの回復に寄与した同作は、MMORPG運営で蓄積したノウハウとIP資産を、比較的低コストで転用できることを示した。

加えて、30〜40代ユーザーが実質的な中核課金層として浮上したことも大きい。ONE storeの統計では、40代は全世代で1人当たり決済額が最も高く、30代は購入者数と決済比重のいずれも首位だった。

韓国コンテンツ振興院の資料でも、PCゲームに年間10万ウォン以上を支出する割合は、30代が34.9%、40代が38.6%と、10代(18.1%)や20代(24%)を大きく上回った。国内のゲーム利用率が2025年に50.2%まで低下するなか、ゲーム各社がこの層を重視するのは自然な流れといえる。

こうした戦略と親和性が高いのが古典IPだ。1990〜2000年代にゲームに親しんだ30〜40代にとって、なじみのあるIPは初期流入のハードルを下げやすい。放置系RPGの手軽な操作性も、可処分時間が限られる層との相性が良い。

Netmarbleは3月3日、「Stone Age Idle Adventure」を投入する予定だ。1999年の発売以降、世界累計利用者2億人を確保した原作IPを放置系RPGとして再解釈し、ペット捕獲や騎乗システム、往年のモンスターで旧来ファンの取り込みを狙う。

New Normal Softも、1990年代の韓国産RPGを代表するシリーズ「The War of Genesis」IPを活用した「The War of Genesis Idle」の事前登録を先月23日に始めた。

◆IPは入口、ヒットを決めるのはゲーム設計

もっとも、古典IPがヒットを保証しないことはすでに示されている。NCSoftは「Lineage」IPを活用した放置系RPG「Journey of Monarch」を投入したが、従来のMMORPG型成長モデルを放置系RPGの作法に合わせて整理し切れず、市場の期待には届かなかった。

Com2uSの「Summoners War: Rush」も、タワーディフェンス要素で差別化を試みたものの、2つのジャンルの面白さを十分に融合できていないとの評価を受け、長期ヒットにはつながらなかった。この間、海外の放置系ゲームが韓国国内の売上上位を占め、存在感を高めたという。

これらのタイトルに共通するのは、IPの知名度に依存する一方で、放置系RPG特有の作法を満たせなかった点にある。放置系RPGのユーザーは、成長スピードや報酬設計、課金バランスの変化に敏感だ。

MMORPG型の高コスト設計をそのまま持ち込めば、ユーザーの疲労感が急速に高まる。そこに、このジャンル特有の難しさがあるとされる。

「MapleStory R」の立て直しは、20年以上にわたって積み上げてきた「MapleStory」IPの厚みに支えられた面が大きい。これに対し、「Stone Age Idle Adventure」や「The War of Genesis Idle」はIP資産の厚みが異なるだけに、後発タイトルの成否はIP認知そのものより、放置系RPGに最適化した成長構造をどこまで精緻に設計できるかにかかっているとの見方が出ている。

業界関係者は「放置系RPGはシステムを簡素化するだけでは不十分で、ユーザーが成長を実感できる設計をどこまで緻密に作り込めるかが鍵になる。IPはダウンロードのきっかけにはなっても、翌日も起動させるのは結局ゲームの構造だ」と話した。

キーワード

#放置系RPG #モバイルゲーム #古典IP #MMORPG #Nexon #Netmarble
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.