政府は27日、Googleが申請していた縮尺1:5000の高精度地図の国外搬出を条件付きで承認した。衛星・航空画像の取り扱いや座標表示、データ加工手順に厳格な保安条件を付し、条件の履行が確認された場合に限って実際の搬出を認める。
韓国国土交通部は同日、京畿道水原市の国土地理情報院で「測量成果国外搬出協議体」会議を開き、関連案件を議決したと発表した。協議体には国土交通部、科学技術情報通信部、外交部、統一部、国防部、行政安全部、産業通商資源部、国家情報院のほか、民間委員も参加した。
今回の対象は、地上50メートルを地図上1センチで表す縮尺1:5000の高精度地図だ。現行の空間情報管理法では、1:2万5000より詳細な地図を国外に搬出する場合、国土交通部長官の承認を受けなければならない。政府はこれまで、国家安全保障上の懸念を理由に搬出を認めてこなかった。昨年5月、8月、11月の3回にわたり結論を先送りしていた。
承認に踏み切った背景には、米韓の関税交渉がある。米政府は交渉の過程で、韓国が高精度地図の搬出を認めていない点を非関税障壁とみなし、是正を継続的に求めてきた。政府は今回の判断が、今後の対米交渉での立場強化につながるとみている。
承認には複数の保安条件が付された。Google MapsとGoogle Earthで韓国の衛星・航空画像を提供する場合、関係法令に基づく保安処理を終えた画像に限って使用しなければならない。過去の時系列画像やストリートビューについても、軍事・保安施設に対するマスキングを適用する。グローバルサービス上での韓国領土の座標表示についても、削除または表示制限を求める。
データの処理方法にも制約を設けた。Googleの韓国内提携企業が国内サーバー上で原本データを加工し、政府の確認を経たデータだけを国外搬出できる。搬出可能な情報は、ナビゲーションや経路探索に必要な基本ベースマップと道路などの交通ネットワークに限定し、等高線など安全保障上の機微情報は対象外とする。
軍事・保安施設に追加や変更が生じた場合には、政府の要請に基づき、韓国内提携企業が国内サーバーで速やかに修正できる体制も整える。国家安全保障上、差し迫った危害や具体的な脅威が発生した際に緊急対応できる技術的措置として、「レッドボタン」の実装も求めた。韓国地図担当者の国内常駐と、常時連絡できるコミュニケーションチャネルの運用も条件に含めた。
政府は、Googleがこうした条件を満たしたことを確認した後、実際の搬出を認める方針だ。継続的かつ重大な条件違反が確認された場合は、承認を停止または取り消すことができるとしている。
協議体は、Googleが提示した技術的代替案について、軍事・保安施設の露出や座標表示など、従来の安全保障上の脆弱性を和らげる効果があると評価した。国内法が適用される国内サーバーで機微情報を処理し、政府確認を経た限定データのみを搬出する仕組みによって、事後管理に関する統制権を維持できると判断した。
今回の決定により、これまでNaverやKakaoが主導してきた国内地図サービス市場にも大きな変化が見込まれる。協議体は政府に対し、3次元高精度空間情報の整備や空間AI技術の開発支援、専門人材の育成、公共需要の創出などを盛り込んだ「空間情報産業の育成・支援策」を関係省庁合同で策定するよう勧告した。Googleに対しても、国内の空間情報産業やAI関連産業の発展に資する共生策の検討と実行を求めた。
Googleで対外協力、政策・知識・情報部門を担当する副社長のクリス・ターナー氏は、「韓国政府による地図搬出承認の決定を心から歓迎し、深く感謝する」とコメントした。その上で、「卓越した技術的リーダーシップで世界をリードする韓国で、Googleマップの能力を示す機会を得られたことを非常にうれしく思う」と述べた。さらに、「具体的なサービス実装案を整えるとともに、政府および国内パートナーと緊密に協力し、韓国の成長を支援していきたい」と付け加えた。