ServiceNowは2月27日、企業向けの自律型AIワーカー群「Autonomous Workforce」を発表した。役割や権限、ガバナンスを備えたAIが職務別のチームとして動作し、業務を開始から完了まで一気通貫で処理するという。
同社によると、Autonomous Workforceは、明確な役割を持つAIを配置することでチームの実行力を高める仕組みだ。単一の作業をこなす個別のAIエージェントとは異なり、レベル1サービスデスク、従業員向けサービス、セキュリティ運用分析など、特定の職務を担うAIチームとして構成される。
これらのAIは人と協働しながら、組織の手順やポリシーを遵守して業務を遂行する。業務結果や従業員からのフィードバックを学習に生かし、時間の経過とともに性能を高めるとしている。
同社が公開した「レベル1サービスデスクAI」は、追加設定なしで利用できるという。企業のナレッジベースや過去のインシデントデータ、予防的な解決ワークフローを活用し、パスワードの再設定、ソフトウェアのアクセス権付与、ネットワーク障害への対応といった一般的なITサポート業務を自律的に診断・解決する。
また、特定のスキルや成果に応じたタスクを担い、24時間稼働するよう設計した。人の介入が必要な場合は、案件を担当者へ引き継ぐ。
ServiceNowによると、同社内ではAutonomous Workforceが従業員からのITリクエストの90%超を処理している。最新版のレベル1サービスデスクAIは、担当するITケースを自律的に解決しており、人手での対応に比べて99%高速だとしている。
同社はあわせて、「ServiceNow EmployeeWorks」も発表した。Moveworksの買収完了から2か月で投入したものだ。
EmployeeWorksは、Moveworksの会話型AIとエンタープライズ検索機能に、ServiceNowの統合ポータルと自律型ワークフローを組み合わせたサービス。企業ユーザーの自然言語によるリクエストを受け取り、ガバナンスを適用しながらエンドツーエンドで実行するという。
ServiceNowのプレジデント兼CPO兼COO、アミット・ザベリ氏は、「企業が求めているのは、パイロットテストや曖昧な約束ではなく、実際に仕事を完遂するAIだ」とコメントした。
その上で、「AIで価値を生み出している先進企業は、知能、実行、信頼を単一システムに統合したプラットフォームに投資している。ServiceNowは、こうした時代の要請に合わせて設計されている」と述べた。
さらに、「Autonomous Workforceは、企業が求める業務範囲や権限、ガバナンスを備えたAIによって既存人材の能力を拡張する。前例のない規模で生産性と投資収益率(ROI)の向上を後押しする新たな時代の始まりだ」と強調した。