映画「ビッグ・ショート」のモデルとして知られるマイケル・バリー氏が、NVIDIAに対する警戒感を強めている。市場予想を上回る決算を発表した直後の同社について、購入契約と供給義務の積み上がりが需要変化時のリスクになり得ると指摘した。
CryptoPolitanが26日(現地時間)に報じたところによると、バリー氏はSubstackのニュースレターで、NVIDIAの購入契約がこの1年で95億2000万ドル(約1兆4280億円)に増加したと分析した。これは、AI半導体需要の拡大を見込み、将来の供給を確保するために積み増した契約を指す。
さらに、在庫確保や購入契約を含む供給義務の総額は約117億ドル(約1兆7550億円)に達し、年間の営業キャッシュフローに近い規模になっているという。バリー氏は、これを単なる外部環境の問題ではなく、経営判断に起因するリスクだと位置付けた。
NVIDIAのコレット・クレス最高財務責任者(CFO)は第4四半期決算の発表時、在庫が前四半期比で8%増えたと説明した。クレス氏は「通常よりかなり前倒しで在庫と生産能力を戦略的に確保した」と述べたが、バリー氏はこれを、需要の見通しが固まる前に供給を先に押さえる動きだと受け止めている。
バリー氏は「これは単なるサプライチェーン問題や外部要因ではない。社内の意思決定の問題だ」と指摘し、Cisco Systemsの事例を挙げた。Ciscoは1990年代末のドットコム・ブーム期に供給体制を大きく広げたが、その後の需要減退で巨額の在庫損失を計上した。バリー氏によれば、当時のCiscoは年50%成長を前提に購入契約を積み増したものの、需要変化によって10億ドル(約1500億円)超を失ったという。
一方、ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は今回の決算発表で、ネットワーキング事業の拡大を強調し、「すでに世界最大のネットワーキング企業になった」と述べた。NVIDIAのネットワーキング部門の売上高は2021年比で10倍超に拡大し、年間310億ドル(約4兆6500億円)に達したとしている。
フアンCEOは、需要がチャットボットの枠を超え、さまざまな産業に広がっていると説明した。ただ、バリー氏はNVIDIAの70%超という高い利益率について、異例の需要の強さと価格上昇に支えられている面が大きいとみる。需要環境が変われば、収益性が急速に悪化する可能性があると警告している。