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米国株市場で、AI関連銘柄の物色先が大きく変わってきた。これまで相場をけん引してきたNVIDIAやMicrosoft、Amazonといった大型テック株に代わり、足元ではメモリ半導体、ハードディスク、光ファイバー、発電設備など、データセンター拡張を支える周辺インフラ関連に資金が向かっている。

AIチップで圧倒的な競争力を持つNVIDIAは、前四半期決算で売上高が前年同期比73%増、純利益が95%増となり、いずれも市場予想を上回った。純利益率は55.6%に達し、競合する半導体企業を大きく上回る水準だった。

S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのデータによると、過去1年の純利益率はAMDが12.5%、Broadcomが36.2%だった。

もっとも、好決算がそのまま株価上昇にはつながらなかった。NVIDIA株は決算発表があった25日こそ上昇したが、買いは続かず、26日には4%下落した。

米紙Wall Street Journal(WSJ)によると、足元のNVIDIAは米国株市場を主導する成長株とは言い難い。過去6カ月の上昇率は6%にとどまり、ダウ工業株30種平均(ダウ平均)や他の半導体株にも見劣りしたという。

投資家の関心は、AIそのものを支える基盤側に移っている。Google、OpenAI、AnthropicなどのAIツールが既存のソフトウェア業界を揺るがしかねないとの見方がある一方で、データセンター増設に伴うボトルネックの解消に関わる製品を供給する企業には、強い資金流入が続いている。

WSJによれば、発電機メーカーのCaterpillarは今年に入り30%上昇し、ダウ平均の上昇をけん引している。創業175年のCorningも、長年赤字が続いた光ファイバーケーブル事業がAIデータセンター建設の追い風を受け、株価は過去最高値圏に近づいているという。

メモリ半導体メーカーのSamsung ElectronicsやSK hynixに加え、メモリーカードやUSBドライブで知られるSanDiskも、AI時代の有力な恩恵銘柄として急浮上した。

SanDiskは昨年2月にWestern Digitalから分社し、独立上場した。当初は市場の注目が限られていたが、昨年9月以降のメモリチップ価格急騰を受けて代表的な関連銘柄の一つに浮上した。1月末時点では、株価が5カ月で976%上昇したという。

一方、かつてAI相場の本命とみられていた大型テック株は相対的にさえない。Microsoft株は今年に入り17%下落し、Amazon株も10%下落した。

AIが株価の変動要因であり続けている点にも変わりはない。ブログ投稿が相場を大きく動かす場面も出ている。22日には、Citrini Researchがブログに掲載したAIの影響に関する悲観的な見方が広がり、売りを誘った。

Salesforceなどエンタープライズソフトウェア企業もAIを軸に事業の再編を進めているが、株式市場では依然として「AIが既存事業の脅威になる」との見方に押されている。25日に無難な決算を発表したにもかかわらず株価が下落したのも、その流れと無関係ではないとみられている。

AIとクラウドCRMを強みとするSalesforceは、2026会計年度第4四半期の売上高が前年同期比12%増だった。The Informationによると、突出した伸びではないものの、第3四半期までの8.6%成長からは改善したが、株価にはプラスに働かなかった。

Salesforceに加え、Workdayなど有力なエンタープライズソフトウェア企業でも、決算発表後に株価が下落するケースが目立っている。

海外メディアによれば、こうしたエンタープライズソフトウェア株の下落には、AIによって今後の成長が鈍化しかねないという投資家の懸念が反映されている。

The Informationは、マーク・ベニオフCEOが決算発表後、AIエージェント基盤「Agentforce」の年間の経常収益が8億ドルで、前年同期比169%増だった点を強調したと報じた。一方で投資家は、AIエージェントがSaaSプラットフォームを代替する可能性もあるとみており、Salesforceの中長期的な成長力に疑問を投げかけているという。

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