Kakaoが、KakaoTalk内のショート動画クリエイターとギフト機能「ギフトする」を結びつけた成果報酬型広告サービス「トークアフィリエイト」を近く開始する。購入実績に応じて手数料を徴収する仕組みで、主力の広告・コマース事業の成長鈍化に対応する狙いがある。
業界関係者によると、Kakaoは1月7日に関連商標を出願し、その後約2週間にわたり一般ユーザー向けのパイロットテストを実施した。2月に改定した広告サービス運営ポリシー第11条には、「『ギフトする』アフィリエイトで売上が発生した場合、これを基準に手数料を課す」と明記した。
トークアフィリエイトは、KakaoTalk内のショート動画クリエイターが紹介した商品をユーザーが「ギフトする」で購入すると、販売者とクリエイターが収益を分配する仕組み。手数料率の詳細は、販売者センターを通じて別途案内するという。
導入の背景には、Kakaoの主力収益源である広告とコマースの伸びがそろって鈍化していることがある。ディスプレイ広告は2024年から2025年上期まで、5四半期連続でマイナス成長となった。
もっとも、KakaoTalkアプリの改編に伴い広告枠を拡大した結果、2024年10~12月期は前年同期比18%増と持ち直した。ただ、限られたプラットフォーム内で広告枠を広げ続ける手法には構造的な限界がある。表示枠の拡大だけに頼るのではなく、購買成果に連動して収益を上げるモデルへの転換を進める考えだ。
シン・ジョンファンCFOは2月12日のカンファレンスコールで、「外部DSPとの連携により、外部広告主の需要をトーク広告枠に取り込む体制を整えた」と述べ、社内トラフィック依存からの脱却を強調した。
コマース事業も同様に伸びが鈍っている。2025年のKakaoコマースの統合取引額は約10兆6000億ウォン(約1兆1660億円)で、前年の10兆ウォンから6%増えたが、過去の2桁成長と比べると減速が鮮明になっている。
アフィリエイト型モデルは、季節要因への依存を和らげやすいうえ、クリエイターやユーザーを通じて外部チャネルからの流入を促しやすい。このため、年間を通じた取引額の拡大につながる可能性があるとみられている。
サービスの形態はYouTube Shoppingに近い。クリエイターが動画に商品をタグ付けし、購入に応じた手数料を受け取る仕組みだ。
一方で、YouTube Shoppingが購入を外部プラットフォームに誘導するのに対し、トークアフィリエイトはショート動画の視聴から決済までをKakaoのエコシステム内で完結できる。トラフィックと決済データを自社内に蓄積できる点が大きな違いだ。
韓国では、Coupang PartnersやNaver Streamer Shopが類似モデルを展開している。競争が進む中、Kakaoは約5000万人規模のKakaoTalkユーザー基盤と、「ギフトする」という既存のコマース基盤を差別化要因として活用する見通しだ。
注目されるのは、AI戦略との連動だ。チョン・シナ代表取締役は2月12日のカンファレンスコールで、オンデバイスAIサービス「カナナ・イン・トーク」のクローズドβテスト(CBT)の結果に触れ、AIエージェントとのインタラクションシナリオではコマース領域の比重が最も高かったと明らかにした。
AIが会話の文脈を把握して先回りして話しかける「先トーク」機能では、予定のリマインドやブリーフィングの利用頻度が最も高かったという。エージェントの実行過程で、ユーザーが自然にコマース行動へ移るパターンも確認されたとしている。
「カナナ・イン・トーク」の正式リリース時期が1~3月期中と見込まれることから、トークアフィリエイトはAIを基盤としたコマース接点における最初の試金石になる可能性もある。
Kakaoは2026年の連結売上高について10%超の成長、営業利益率10%の達成を目標に掲げている。トークビズ広告で年間2桁成長を維持できるかが柱となる中、トークアフィリエイトがどこまで業績に寄与するかが焦点となる。
成否を左右するのは、正式開始後にクリエイターエコシステムをどれだけ早く構築できるかだ。Coupang Partnersの初期成功要因が、明確な手数料体系と低い参入障壁にあったことを踏まえると、Kakaoが手数料率を早期に公開するかどうかも重要なポイントになりそうだ。
業界関係者は「広告枠の拡大から成果報酬型モデルへ移る流れは自然だ」とした上で、「手数料率とクリエイター参加の設計が具体化すれば、市場の反応はよりはっきりしてくる」と話した。