AMDは2月26日、vRAN(仮想化無線アクセスネットワーク)向けに最適化した第5世代「EPYC 8005」サーバCPUを発表した。エッジ環境での利用を想定し、1ソケットで最大84コアに対応。LDPCデコードの最適化も盛り込み、5Gワークロードの低遅延化を狙う。
同社によると、新製品は分散配置される演算負荷の高いvRANワークロードを想定して設計した。設置スペースや電力に制約のあるエッジ環境でも効率的なプラットフォーム構築を支援し、通信事業者やパートナーが大規模環境でvRANを安定運用しやすくするという。
従来の無線アクセスネットワーク(RAN)は、カスタムシステムや専用シリコンへの依存が大きかった。一方、vRANでは汎用サーバを活用することで、通信事業者はより柔軟かつ低コストで容量を拡張できる。ただ、サーバプラットフォームの選定は、数千サイト規模でのTCO(総保有コスト)や消費電力、持続可能性、導入スピードに直結するとしている。
EPYC 8005はエッジ環境向けの製品で、1ソケット当たり最大84コアを搭載できる。最大225Wの範囲で高いコンピューティング密度を確保し、演算負荷の高いL1処理を含むvRANワークロードの性能要件に対応するとしている。
また、広い動作温度範囲に対応し、堅牢な通信設備向けのNEBS規格に準拠したプラットフォーム構築も可能とした。1ソケット当たりの高コア化により小型フォームファクター化を後押しし、電力制約の厳しい環境でも高密度展開を支援するという。
vRAN展開でL1処理性能を高めるため、EPYC 8005にはLDPCデコード最適化も導入した。5Gワークロードの遅延低減と前方誤り訂正処理の高速化を目的としたもので、AMD Zen 5の実行パイプラインや強化したベクトルユニット、最適化したメモリアクセスを活用する。LDPCデコード効率を高めつつ、vRANで求められる処理の決定性も維持できるよう設計したとしている。
EricssonでRANコンピュートプラットフォームを統括するマイケル・ベグリー氏は、「クラウドネイティブRANは、コンピューティングプラットフォームに対し、決定性や効率、統合の柔軟性の面で新たな要件を突き付けている」とコメントした。その上で、「こうしたアーキテクチャの成熟に伴い、AMDを含むエコシステム全体での協業が、通信事業者を支援する上で重要になる」と述べた。