NVIDIAがAIチップ市場で圧倒的な地位を維持する一方、投資マネーは周辺の有力銘柄にも分散し始めている。機関投資家の資金流入が鈍っていることに加え、台湾製半導体への関税リスクや高成長を前提とした割高感も意識され、市場ではNVIDIA一極集中を見直す動きが出ている。
BeInCryptoが25日(現地時間)に報じたところによると、3月に向けてテクニカル面とファンダメンタルズ面の双方で相対的な強さが見込まれるAI関連株として、TSMC、Alphabet、Broadcomが浮上している。あわせて、高リスク銘柄としてPalantir Technologiesにも言及した。
NVIDIAはテクノロジー株ETF「XLK」で最大の構成比を占め、AIインフラ投資の中核銘柄と位置付けられている。ただ、足元の株価は好業績の割に反応が鈍い。第3四半期の売上高は570億ドルだったが、明確な上昇基調は維持できていない。
テクニカル面では下降チャネルの流れが続き、機関投資家の資金流入を示すチャイキン・マネー・フロー(CMF)も弱含みだ。株価が反発する局面でも、大口資金の追随は限定的とみられる。
ファンダメンタルズ面でも懸念は残る。NVIDIAはGPU生産の大半をTSMCに委ねており、半導体輸入関税が現実味を帯びれば、コスト増圧力は避けにくい。EV/EBITDA(企業価値倍率)は約35倍に達しており、この水準は60%を超える高成長が続いて初めて正当化されるとの見方もある。
■TSMC:先端工程で独占的な地位
TSMCはAIチップ競争の最大の受益企業とみられている。NVIDIAやBroadcom、AMDなど主要半導体メーカーの先端チップの多くは、TSMCの3ナノ、5ナノ工程で生産されている。最先端工程のシェアは90%を超え、事実上の独占状態にある。
高性能チップの値上げ局面でも顧客離れが限定的だったことは、同社の強い価格交渉力を示している。EV/EBITDAは約18倍とNVIDIAを下回り、機関投資家の資金流入も続く。AI競争でどの企業が勝っても、供給を担うTSMCは構造的な恩恵を受けやすいとの見方が出ている。
■Alphabet:TPUでコスト競争力
AlphabetはAIモデルを展開しながら、自社開発のTensor Processing Unit(TPU)によってインフラコストの競争力を確保している。Google Cloudは直近四半期で48%成長し、営業利益率も大きく改善した。NVIDIA製GPUより低コストなTPU戦略が、コスト負担を抑えたい法人顧客を引き付けているという。
ソフトウェア中心の事業構造も強みだ。ハードウェア依存度が相対的に低く、関税リスクの影響を比較的受けにくい。テクニカル面では弱気パターンが形成されたものの、資金フロー指標は機関投資家の押し目買いの可能性を示している。
■Broadcom:推論需要拡大の恩恵
Broadcomは、AIの学習向けではなく推論市場の拡大による恩恵が期待される銘柄とされる。大規模モデルを実サービスに組み込む段階では、特定用途向け集積回路(ASIC)がGPUに比べ、電力効率とコストの両面で優位に立ちやすい。
同社はGoogleやMetaなど大手テック企業向けにASICを設計しており、AI需要の拡大を追い風としている。チャート上では逆ヘッド・アンド・ショルダーが形成されており、反転の可能性も指摘されている。
■高リスク銘柄:Palantir Technologies
Palantir Technologiesは、AIを実際の売上成長に結び付けている代表的なソフトウェア企業の一つとされる。直近四半期の売上高は前年同期比70%増となり、米国商業部門の伸びも大きい。
もっとも、PER(株価収益率)は200倍を超えており、バリュエーションの高さは大きなリスク要因だ。成長率が市場期待に届かなければ、株価変動が一段と大きくなる可能性がある。