Bitcoinは、0ドルまで下落するよりも、最終的に100万ドルへ到達する可能性の方が高い――。市場ではそんな見方が広がっている。背景には、現物ETFへの資金流入や企業による保有拡大、金融市場への組み込みの進展がある。ただ、短期的にはマクロ環境やETFの資金フロー次第で値動きが荒くなる可能性も残る。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicは25日(現地時間)、Altcoin Daily共同創業者のオースティン・アーノルド氏が、Bitcoinの長期的な上昇余地に改めて言及したと報じた。Bitcoinは足元で6万6700ドル前後で推移し、過去最高値から約48%下落しているものの、中長期ではなお上値余地が大きいとの見方だ。
一方で、金強気派として知られるピーター・シフ氏や、Bloombergのマイク・マクグローン氏は、Bitcoinが最終的に0ドルまで下落する可能性を警告している。ただ、市場では、機関投資家の参入拡大やグローバル金融市場への浸透が進んだことで、過去に比べ極端な下落シナリオの現実味は薄れているとの指摘も出ている。
仮にBitcoinがゼロ近辺まで売り込まれたとしても、買い需要が一気に流入し、価格は反発するとの見方もある。Xの利用者の間では「Bitcoinが0ドルになれば、流通する全量を買う」といった趣旨の投稿もみられ、0ドルシナリオ自体を非現実的とみる向きは少なくない。
市場では、Bitcoinが本当に0ドルへ崩壊するには、世界のインターネット基盤が機能不全に陥るほどの深刻な事態が必要だ、との声も上がっている。
これに対し、100万ドル到達シナリオについては、機関投資家の採用拡大、通貨供給量の増加、時間の経過という条件がそろえば十分あり得るとの見方が優勢だ。到達時期を2028~2032年とみる市場参加者もいるが、市場環境次第では後ずれする可能性も指摘されている。
2024年以降は、現物ETFを通じて巨額資金がBitcoin市場に流入している。BlackRockのような大手もBitcoin関連商品を手がけており、こうした動きが「0ドル」シナリオの可能性を押し下げる要因とみられている。現在、ETFの保有残高は145万BTC、金額換算で960億ドル(約14兆4000億円)に達する。
企業による保有も拡大している。上場企業は345億5000万ドル(約5兆1825億円)、未上場企業は280億ドル(約4兆2000億円)相当のBitcoinを保有しているという。こうした需給構造の変化を踏まえ、市場では0ドルへの崩壊よりも、100万ドル到達の方が現実的だとの見方が強まっている。
Bitcoinトレジャリー企業のStrategyを率いるマイケル・セイラー氏も、Bitcoinが0ドルにならないのであれば、最終的には100万ドルに達するとの見方を示している。Strategyは平均取得単価7万6020ドル(約1140万円)で71万7722BTCを保有しており、含み損圏でも買い増しを続けているとしている。
Bitcoinの供給上限は2100万枚に固定されている。この希少性に加え、機関投資家の需要拡大が続けば、長期的には価格に上昇圧力がかかりやすいというのが強気派の論拠だ。
もっとも、長期見通しが強気でも、短期的な変動の大きさは避けられないとの見方が多い。今後の相場を左右する要因としては、マクロ環境の変化、リスク資産選好の回復ペース、ETFへの資金流入が持続するかどうかが挙げられている。
投資家は今後、機関投資家マネーの流入が実需の買いにつながるかに加え、主要なサポートラインとレジスタンスラインでの需給変化を見極めることになりそうだ。市場では「Bitcoinが100万ドルに到達する確率は、0ドルに到達する確率より高い」との見方が改めて意識されている。