ドナルド・トランプ米大統領は24日(現地時間)、議会合同会議で演説し、経済実績と通商政策を前面に打ち出した。税制、人工知能(AI)、住宅、医療、イラン核問題など幅広いテーマに触れたが、暗号資産やビットコイン(BTC)への言及はなかった。一方、BTCは演説後に3%上昇し、市場では技術株高とリスク選好の回復が支えになったとの見方が出ている。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicなどによると、トランプ米大統領は自身の再選を「新たな経済時代の始まり」と位置付け、この1年を国家再生の期間だったと振り返った。また、直近3カ月でコアインフレ率が1.7%低下し、5年ぶりの低水準になったと主張した。
住宅市場については、住宅ローン金利が4年ぶりの低水準に低下し、新規借り手の年間負担が前年より5000ドル減ったと強調した。株式市場に関しては、大統領選後に最高値を53回更新し、ダウ工業株30種平均が想定より早く5万の大台を突破したと述べた。
演説のもう一つの柱となったのが関税政策だ。トランプ氏は、行政府による包括的な関税賦課の権限を巡り、連邦最高裁が最近、一部を制限した判断について「非常に残念だ」と表明。その上で、別の法的手段を通じて関税を維持する考えを示した。
さらに、関税は数千億ドル規模の収入を生み、国家安全保障や交渉力の強化に寄与してきたと主張した。所得税の相当部分を代替し得るとの従来の持論も繰り返した。
もっとも市場では、関税政策が度々修正されてきたことや、法的な不確実性が引き続き重荷になっているとの見方も根強い。
今回の演説で目を引いたのは、デジタル資産が一切取り上げられなかった点だ。トランプ氏はこれまで、米国を「世界の暗号資産の首都」にすると公言しており、家族も関連事業に関わっている。それにもかかわらず、今回は関連政策の方向性や立法計画には触れなかった。
その一方で、AI産業の育成には項目を割いた。データセンターの電力需要拡大に対応するため、民間企業が自前の発電設備を整備する方策にも言及した。
BTCは演説後に3%上昇し、6万6000ドルまで上げた。ただ、市場ではこの上昇を演説そのものに直接結び付ける見方は限定的だ。むしろ、技術株ラリーとリスク選好の回復に連動した動きとの分析が優勢で、景気への楽観が広がる中、暗号資産市場全体に資金が流入したとの見方も出ている。