写真=KDB産業銀行のパク・サンジン会長

KDB産業銀行のパク・サンジン会長は2月25日、就任後初の記者懇談会を開き、産業競争力の強化と産業再編を軸とする経営方針を示した。5年で150兆ウォン規模の「国民成長ファンド」を運用するほか、総額250兆ウォンの「KDB Next Korea Program」を立ち上げ、主力産業の再編や先端産業育成、地域支援を進める。

パク会長は、30年にわたり同行に在籍してきた初の内部出身トップ。懇談会では、世界経済が米中覇権争いの激化やサプライチェーン再編を背景に、大きな転換点にあるとの認識を示した。関税障壁や保護主義の強まり、各国の新産業育成競争が進むなかで、金融が産業の体質改善と将来の成長分野の育成を後押しすべきだと述べた。

国内経済については、低成長の定着に加え、石油化学や鉄鋼など主力産業が後発国の追い上げや技術格差の縮小で揺らいでいると指摘した。そのうえで、代表的な政策金融機関として、産業競争力の強化、二極化の緩和、潜在成長率の引き上げに全力を挙げる考えを強調した。

5年間で150兆ウォンを運用する国民成長ファンドは、重点施策の中核に据える。同行は専担組織を新設し、メガプロジェクトの発掘から審査、事後管理まで一元的に担う体制を整えた。

1月には、総事業費3兆4000億ウォンの洋上風力発電事業を第1号案件として承認した。後続案件の審査も予定しており、パク会長は2026年の承認目標である30兆ウォンを前倒しで達成し、さらに上積みを目指す考えを示した。情報格差によって支援対象から漏れる企業が出ないよう、地域別の説明会も開く。

あわせて、5年間で総額250兆ウォンの「KDB Next Korea Program」も始動する。内訳は、先端戦略産業の競争力強化に100兆ウォン、地域の均衡成長に向けた金融支援の拡大に75兆ウォン、主力産業支援に50兆ウォン、国民成長ファンドと連動した融資・投資に25兆ウォンを充てる。

投資機能の強化も柱の一つだ。同行は年5000億ウォン規模の直接ベンチャー投資を実行してきた国内最大級の政策系ベンチャー投資機関で、今後は新規投資に加えてフォローオン投資の比率を高め、企業の成長段階に応じた支援を強化する。

ユニコーン企業の育成を狙うスケールアップファンドや、リスクマネーの回収市場を活性化するファンドなど、間接投資のエコシステムも拡充する方針だ。一方で、投資資産比率の上昇がBIS自己資本比率など健全性指標に及ぼす影響については、慎重に管理する考えを示した。

地域向け金融支援の強化も打ち出した。2026年には非首都圏向けの資金供給を30兆ウォン規模で進め、地域向け優遇商品は10兆ウォンから15兆ウォンに拡大する。地域活性化投資ファンドや南部圏成長支援ファンドも組成し、地域ニーズに応じた支援体制を構築する。国民成長ファンドの投資先選定でも、地域プロジェクトを優先的に検討する。

石油化学業界の再編では、第1号案件も公表した。HD Hyundai ChemicalとLotte Chemicalによるデサン工場の統合が柱となる。

政府が示した産業再編の3原則である、過剰設備の削減と高付加価値スペシャルティ製品への転換、財務健全性の確保、地域経済と雇用への影響最小化を踏まえ、両社が提出した事業再編計画と自助努力計画を検討した。24日には産業通商部で特別法に基づく承認が完了し、同日の産業競争力強化関係閣僚会議で政府の総合パッケージ支援対象にも選ばれた。

統合法人はNCC1基の稼働を停止し、設備の統廃合によってエチレン年産110万トン、プロピレン年産55万トンの生産能力を削減する。一方で、スペシャルティ製品や環境配慮型製品を中心とした事業転換を進める。両社は当初計画から4000億ウォンを上積みし、総額1兆2000億ウォンの有償増資を実施する。

債権団は既存債権7兆9000億ウォンの返済を猶予し、最大1兆ウォンの新規資金を支援する。このうち約4300億ウォンをKDB産業銀行が負担する。加えて、負債比率など財務構造を抜本的に改善するため、最大1兆ウォンの範囲で債権団向け借入金の一部を永久債に転換する案も進める。金融支援の具体的な内容は、債権金融機関の自主協議会での決議を経て確定する見通しだ。

永久債など追加の資本転換規模について、パク会長は具体的な負担割合は債権団との協議で決まるとしたうえで、基本的には債権額の比率に応じた負担が原則になると説明した。

金融支援については、債権団協議が変数になり得るとの見方も示した。パク会長は、石油化学は国家の基幹産業であると同時に川上産業でもあり、ここが崩れれば川下産業全体に影響が及ぶと指摘した。新規資金支援は金融機関にとって負担となり得るが、KDB産業銀行が4300億ウォンを先行して負担する枠組みを通じて、債権団の理解を得たい考えを示した。ヨスなど他の石油化学団地についても、今後の動向を注視しつつ利害関係者と協議を続けるという。

パク会長は、金融には危機にある産業の体質改善を支え、未来産業への再跳躍を後押しする役割があると述べ、今回の案件が国内主力産業の先手を打った再編の出発点になることに期待を示した。

また懇談会の終盤には、最近提起された職場内いじめの通報を巡って直接謝罪した。パク会長は、先輩として慰める意図で連絡したものの、結果的に傷つけたことを心から謝罪すると述べた。労使の苦情処理委員会で公式調査が進んでおり、結果に応じて厳正に対応する考えも示した。

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