韓国政府は、HD Hyundai Oilbank、HD Hyundai Chemical、Lotte Chemicalが進める大山地区の石油化学事業再編計画を承認した。金融支援最大2兆ウォンを含む計2兆1000億ウォン規模の支援策を通じ、再編を後押しする。
韓国産業通商資源部は2月25日、3社が提出した事業再編計画を23日に最終承認したと発表した。政府が2025年8月に石油化学産業の構造再編ロードマップを公表して以来、初の承認案件となる。
計画では、Lotte Chemicalの大山事業所を分割したうえでHD Hyundai Chemicalと合併し、ナフサ分解装置(NCC)と下流設備を一体運営する。
HD Hyundai OilbankとLotte Chemicalは、自助努力の一環として、統合新設法人に計1兆2000億ウォンを増資する。両社がそれぞれ6000億ウォンずつ拠出し、HD Hyundai Chemicalの持ち分比率は従来の6対4から5対5へ見直す。
この過程で、Lotte Chemicalは年産110万トンのNCC設備を停止する。両社は汎用下流設備のうち、重複する設備や赤字設備についても停止する方針だ。
政府は、大山産業団地内の供給過剰が和らぎ、残る設備の稼働率改善によって効率化が進むとみている。事業再編期間は3年とした。
支援策は、金融、税制、許認可の合理化、コスト構造改善、地域経済・雇用、技術開発を柱とする。金融支援は最大2兆ウォンとする。
韓国産業銀行などの債権金融機関は、新規資金の供給と永久債への転換を通じ、それぞれ最大1兆ウォンずつ支援する予定だ。税制面では、企業の分割・合併に伴って発生する取得税と登録免許税を75~100%減免する。
コスト構造改善策としては、690億~1150億ウォンを投じる。電力については分散特区制度を活用し、韓国電力公社の料金に比べ4~5%低い水準を適用する。
あわせて、熱供給の重複を禁じる規制を緩和し、低コストの熱供給源を拡大する。燃料向けに直接輸入する液化天然ガス(LNG)の利用範囲も広げる。
原油とナフサに対する無関税措置の適用期間を延長し、ナフサ製造用原油に対する割当関税の適用範囲も拡大する。
許認可の合理化には20億ウォン、技術開発支援には260億ウォンを追加投入する。企業結合審査の期間は120日から90日に短縮し、事業再編を進める企業間の共同行為も例外的に認める。
石油販売業の許可手続きを簡素化するほか、化学物質登録の承継など許認可手続きも見直す。技術開発では、高付加価値分野の技術開発2件を対象に、2026年から260億ウォンを迅速支援する。
統合法人は、汎用品の輸出依存から脱却し、高付加価値・環境配慮型へ製品ポートフォリオを転換する方針だ。既存の汎用品生産工程に技術を組み合わせ、電線・ケーブル向けの高弾性軽量素材を生産するほか、二次電池電解液向けの有機溶媒も手掛ける。
バイオナフサを活用した国際認証取得済みの環境配慮型製品の生産や、炭素排出量を最大50%削減できるエタン原料の導入も進める。
政府は、統合運営による効率化と株主の自助努力を通じ、2025年に赤字だった営業損益が事業再編期間終了後に黒字転換し、負債比率も大幅に低下すると見込んでいる。
産業通商資源部のキム・ジョングァン長官は「大山1号プロジェクトは、政府と業界が緊密に協力して生み出した最初の成果だ」としたうえで、「石油化学産業の構造再編を加速させる契機になる」と述べた。
そのうえで「全ての産業団地でプロジェクトが実現してこそ成功だ。後続プロジェクトも迅速に進められるよう、企業と積極的に意思疎通していく」と付け加えた。