Strategyのマイケル・セイラー会長は、ビットコイン(BTC)が最高値から約45%下落した足元の局面について、崩壊ではなく成長過程に伴う調整だとの見方を示した。比較対象として挙げたのは、2013年に大幅安を経験したAppleだ。
24日付のCoinDeskによると、Strategy創業者でもあるセイラー氏は、出演したポッドキャスト「Coin Stories」で「成功した技術投資で、45%の下落と“絶望の谷”を経ずに済んだ例はない」と語った。
そのうえで「われわれは現在、137日間を持ちこたえてきたが、これが2〜3年、あるいは7年続く可能性もある。7年続けばAppleと同じような局面だ」と強調した。
セイラー氏が念頭に置くのは、現在の巨大企業としてのAppleではなく、株価が高値から45%下落し、株価収益率(PER)が10倍を下回った2013年前後の局面だ。ビットコインも直近では過去最高値の12万5000ドルから約45%下落している。
とりわけ2月5日には、価格が7万ドルから6万ドルへ急落し、オンチェーンで32億ドルの実現損失が発生した。報道によれば、これはTerra-Luna局面を上回り、ビットコイン史上最大の日次損失として記録されたという。
今回のサイクルが過去ほど激しく見えない背景について、セイラー氏は市場構造の変化を挙げた。デリバティブ取引の中心が海外の非規制市場から米国の規制市場へ移ったことで、ボラティリティが抑えられ、かつての80%級の急落が、足元では40〜50%程度の調整として表れていると説明した。
一方で、伝統的な銀行が依然としてビットコインを担保とする与信を提供していない点については、市場に構造的な売り圧力を生む要因だと指摘した。
量子コンピューティングの脅威についても、同氏は懐疑的な見方を示した。過去のブロックサイズ論争やエネルギー消費、中国による採掘支配といった不安をあおる言説と同様、ネットワークを崩壊させる水準の脅威ではないとの認識を示した。
さらに、量子コンピューティングが実質的な脅威になるまでには10年以上を要し、その頃には世界のデジタルシステムは耐量子暗号へ移行しているとの見通しも示した。
最近、一部の論争がBitcoin Core開発者への攻撃にまで広がっている点についても、同氏は「FUD(恐怖・不確実性・疑念)の形が変わっただけだ」と述べ、一蹴した。
一連の発言からは、足元の45%下落を崩壊ではなく、大型技術資産が成長過程で経験する調整局面とみる同氏の姿勢が鮮明になっている。