フードデリバリーサービス「Baemin(配達の民族)」が今月開始したフランチャイズ向け施策「Baemin Only」を巡り、適法性を問う声が強まっている。Cheogajip Yangnyeom Chickenの加盟店主協議会は、Baemin運営会社のWoowa Brothersとフランチャイズ本部のKorea103を不公正取引の疑いで公正取引委員会に申告した。公取委の判断は、Baeminの専属提携戦略の今後を左右する可能性がある。
◆専属条件付きの手数料優遇巡り、加盟店側が反発
Cheogajip Yangnyeom Chicken加盟店主協議会は20日、Woowa BrothersとKorea103を不公正取引の疑いで公取委に申告した。Baeminとの専属取引を条件に手数料引き下げや割引支援を提示した一方、加盟店側の実益は限定的で、他のデリバリーアプリで営業する機会を奪い、売上減少につながる恐れがあると主張している。
Woowa BrothersとKorea103は1月、戦略提携に向けたMOUを締結した。これを受け、Baeminは9日から、Baemin以外のプラットフォームを利用しない加盟店を対象に、仲介手数料を7.8%から3.5%へ引き下げる「Baemin Only」を始めた。業界によると、開始初日にはCheogajip Yangnyeom Chicken約1200店のうち約1100店が参加したという。
一方で20日には、一部加盟店主がこの施策は不公正取引に当たるとして問題提起した。加盟店主協議会の代理人を務める法律事務所YKは、今回のMOUについて、市場支配的地位の乱用、排他的条件付き取引、手数料精算方式を巡る欺瞞性などに該当する可能性があるとみている。
これに対しWoowa Brothersは、Baemin Onlyは関連法令を順守した「共生プロモーション」だとの立場を維持している。Baeminは20日、加盟店主協議会側が主張した「Baemin負担の割引率が誇張されている」「加盟店の経営上の自律性が侵害されている」との指摘はいずれも事実ではないと反論。24日にも追加の説明文を公表した。
同社は「BaeminとKorea103は、加盟店の収益拡大と利用者メリットの拡充に向けた共生プロモーションを進めており、関連法令を徹底して順守している」と説明している。
また、仲介利用料の引き下げや、本部とデリバリープラットフォームによる割引支援といったメリットを加盟店に集中提供しているとした上で、参加は加盟店側の自発的な選択であり、参加後も随時取りやめが可能だと強調した。
競争の激しいデリバリープラットフォーム市場で優越的地位を利用しているとの指摘についても、同社は、本部が加盟店に強制できる性質の施策ではないとの見解を示した。会社側によれば、公共配達アプリ「Ttaenggyeoyo」の利用を制限する条件も設けていないという。
◆Baemin、他チェーンへの展開も視野 公取委判断がカギに
Woowa Brothersがこうした立場を示す中、Baemin Onlyを他のフランチャイズへ広げる可能性も取り沙汰されている。
同社は、この種の施策はフランチャイズ、非フランチャイズを問わず、業界で広く行われている競争手法だと主張する。競合各社も複数事業者と同様の方式のプロモーションを進めているとしている。
実際、Baemin Onlyのように特定のデリバリープラットフォームとの専属契約を伴う施策は、米国など海外でも導入例がある。
米デリバリーアプリ最大手DoorDashは2018年、米国内で200店超を展開するレストランチェーン「The Cheesecake Factory」と独占契約を結んだ。2025年からは24時間営業チェーン「Waffle House」と、深夜帯に限ってDoorDashのみが配達を担う契約も締結している。Uber Eatsも2024年、英国で「Eggslut」と独占提携を進めるなど、米国外でも同様の契約を展開している。
業界では、BaeminがCoupang Eatsとの差を広げるには、Baemin Only戦略の維持が不可欠との見方も出ている。韓国のデリバリープラットフォーム市場では、Coupang Eatsが首位Baeminを激しく追っているためだ。
Wiseapp・Retailによると、2025年12月時点の月間アクティブユーザー数(MAU)は、Baeminが2254万人、Coupang Eatsが1242万人だった。2025年1月と比べると、両社のMAU格差は17.6%縮小した。特にソウルでは、Coupang Eatsが取引額と利用者数の両面で首位だったとされる。
加盟店側の対立が公取委への申告に発展したことで、BaeminがBaemin Onlyを今後どこまで拡大できるかは、公取委の判断に大きく左右される見通しだ。専属取引を促す仕組みが不公正取引に当たるか、フランチャイズ本部が加盟店に特定プラットフォームとの取引を事実上求めたかが主な争点となる。
Baemin関係者は「共生プロモーションは、プラットフォームがメリットを強化してパートナーを誘致するための取り組みだ。加盟店は自発的に参加を決められ、参加後もいつでもBaemin Onlyの対象外店舗に切り替えられる」と述べた。