Teslaの販売低迷が2026年に入って鮮明になっている。1月の販売は欧州で前年同月比23%減、中国で45%減となった。FSD(Full Self-Driving)の課金体系見直しやロボタクシーの量産など新たな打ち手を進める一方、販売減速とAI関連投資の負担が重なり、先行きへの警戒感が強まっている。
四半期序盤に販売が鈍る局面は過去にもあったが、市場では今回は単なる季節要因や一時的な変動ではないとの見方が出ている。
著名投資家のロス・ガーバー氏は、Teslaブランドが「負の資産」になりつつあると指摘し、EV事業をRivianに売却すべきだと主張した。Rivianは市場予想を上回る業績を受けて株価が急伸しており、Teslaとの対比が意識されている。
Teslaは利益の減少が2年連続で続いており、事業運営を巡る市場の視線は一段と厳しくなっている。
こうした中、TeslaはFSDの買い切り型を廃止し、月額99ドル(約1万5000円)のサブスクリプションへ一本化した。FSDは2016年の導入以降、価格改定を繰り返してきた経緯があり、今回の見直しは継続課金モデルの強化策と受け止められている。
自動運転分野では、テキサス州のギガファクトリーで完全自動運転ロボタクシー「Cybercab」の生産を開始した。Cybercabはステアリングやペダルを備えない2人乗り車両で、FSDを基盤に走行する設計とされる。
一方、米テキサス州オースティンで展開しているTeslaのロボタクシーサービスでは追加で事故が発生し、昨年6月のサービス開始以降に確認された事故は計14件に増えた。事故対応を巡っては隠蔽疑惑も取り沙汰されており、自動運転の安全性を巡る議論が広がっている。
商用車では、大型電動トラック「Semi」の500マイル(約800km)ロングレンジモデルの価格が29万ドル(約4350万円)前後となる見通しだ。2017年の初公開時と比べると約60%高い水準だが、業界ではなお競争力のある価格帯との見方が出ている。
カリフォルニア州のHVIP補助金やUber Freightとの協業を通じ、実質負担が下がる余地もあるという。
中国市場では、Tencentと連携し、WeChat連動機能を現地のTesla車両100万台に適用する計画も打ち出した。位置情報の共有やAIベースのサービス推薦などを通じ、現地化戦略を強化する狙いがある。
BYDなど中国勢との競争が激しさを増す中、Teslaがどこまで中国市場向けの機能強化で巻き返せるかが焦点となっている。
競合各社もEV事業の立て直しや拡大に動く。Fordは2025年通期で81億ドル(約1兆2150億円)の純損失を計上した。会社側は、想定を上回る関税コスト9億ドル(約1350億円)が業績悪化の主因だと説明している。
内燃機関車、商用車、EVの各部門がそろって低調だったが、Fordは2026年に向けて強気の目標を維持した。ただ、EV部門の赤字改善には不透明感が残る。
同社は中型電動ピックアップを軸にした新たなユニバーサルEVプラットフォームも公開した。F1由来の空力設計、AIや3D設計技術、電力装置の統合により、電池効率と航続距離を高めつつ、コストと車重を抑えたとしている。30超のECUは5つのモジュールに統合し、効率性と耐久性を高めた。
HondaもEV需要の減速と米国の関税影響を受け、会計年度第3四半期の利益は前年同期比61%減の1534億円となった。EV関連の一時費用と関税負担で自動車事業は赤字に転落したが、二輪事業が高い利益率で全体収益を下支えした。北米EV事業では構造改革に着手している。
自動運転分野では、Pony.aiとトヨタが共同開発したロボタクシーが中国で量産段階に入った。今年中に1000台を生産し、中国主要都市で運用したうえで、2026年までに3000台体制へ拡大する計画という。自動運転技術とEV製造の連携が本格化し、中国のロボタクシー市場は急拡大している。
中国EV大手のBYDと吉利は、メキシコにある日産・メルセデスの合弁工場の買収で最終候補に残った。年23万台の生産能力を持つ同工場は、北米市場進出の足掛かりとみられている。新工場建設が難航するなか、既存設備の取得へ戦略を切り替える動きが出ている。
BYDの2025年の販売台数は460万台を超えた。市場ではTeslaのBEV販売を上回った点に注目が集まっているが、電動車ブランドとしてFordを上回る規模に達したことも、市場構造の変化を示す節目との見方がある。
新興市場ではアフリカの存在感も高まっている。内燃機関車の輸入規制や水力発電所の稼働に伴う電力網の拡充など政策環境の変化がEV移行を後押ししており、グローバル各社が投資を進めている。BYDも年内に代理店70店舗の確保を目指し、販売網拡大を急いでいる。
JDパワーの調査では、EVオーナーの96%が次の車でもEVを選ぶ意向を示した。プレミアム部門ではTesla Model 3が首位、大衆車部門ではFord Mustang Mach-Eが首位だった。充電インフラの改善と電池技術の進展が満足度を押し上げたと分析されている。
モビリティサービス分野では、Kakao Mobilityが「AI自動運転実証都市、技術を超えてサービスへ」をテーマに討論会を開催した。リュ・グンソン代表は、リアルタイム道路データとプラットフォーム運営のノウハウを基盤に、E2E(End-to-End)自動運転の商用化パイプライン構築を加速していると説明した。
T map Mobilityは、ユーザー参加型の企画「マイテーマコース」を始める。単なる情報推薦にとどまらず、利用者の嗜好や思い出をコースとして自然に表現・共有できるようにした。家族旅行やデートコースなど、個人の体験やエピソードを1つのルートとして作成し、選ばれたコースはアプリ内の「T mapテーマコース」コンテンツとして紹介される。
二輪分野では、Hondaが普及価格帯の電動スクーター「ICON e:」を日本市場に投入する。着脱式バッテリーを採用し、航続距離は約81km。価格はバッテリーと充電器を含め22万円で、電動二輪市場の拡大を狙う。
Royal Enfield初の電動モーターサイクル「フライングフリーC6」も量産が近づいている。カモフラージュなしのテスト走行が確認されており、クラシックな意匠と最新の電動技術を組み合わせたモデルとして、2026年第1四半期の投入を予定する。LFPバッテリーとベルトドライブを採用し、実航続距離150kmを目標に掲げる。
自転車関連では、Bassoが新型グラベルバイク「Basso Palta 3」を公開した。前モデルに比べて速度、快適性、操縦性を高め、積載性も向上させた。バイクパッキング用途にも対応し、完成車の価格は5995ドルからとなる。
Hiplokは、全長約1mの折りたたみ式自転車ロック「Switch 105」を発表した。携帯性と防犯性を両立し、ベルトやバッグ、自転車フレームなどさまざまな方法で持ち運べるという。重量は1.17kg、価格は129ドル(約1万9350円)。