TechCrunchによると、Anthropicは、中国のAI企業が同社の生成AIモデル「Claude」を不正に利用し、自社モデルの性能向上に役立てたと主張している。
Anthropicは、中国AIスタートアップのDeepSeek、Moonshot AI、MiniMaxが2万4000件超の偽アカウントを作成し、Claudeと1600万回以上にわたって対話したうえで、「蒸留(distillation)」の手法を使って機能を模倣したと指摘した。
同社によれば、3社はClaudeの「エージェント推論」「ツール利用」「コーディング」といった機能の再現を重点的に進めたという。
蒸留は、高性能なモデルの出力を使って、より小規模なモデルを学習させるAI開発手法を指す。一般に、OpenAIなどの大規模言語モデル(LLM)が教師モデルとして用いられ、その出力をもとに別のモデルへ知識や推論パターンを移す。
この手法を使えば、教師モデルの知識や予測能力を比較的短期間で別モデルに取り込めるとされる。
一方、米国ではドナルド・トランプ大統領が対中AIチップ輸出規制の緩和を打ち出したのに対し、OpenAIのサム・アルトマンCEOはこれを「壊滅的な誤り」だと批判した。
こうした状況を踏まえ、Anthropicは、AIチップの輸出規制緩和が蒸留を通じた模倣行為をさらに後押しし、米国AI産業の競争力低下や国家安全保障上のリスクにつながる恐れがあると警告している。
その一方で、AIチップ輸出は米企業の収益拡大につながるほか、中国のAIシステムへの関与を維持できるとの見方もある。