Amazon Web Services(AWS)は、エージェンティックAIを活用した移行・モダナイゼーション支援サービス「AWS Transform」により、企業の技術負債削減と大規模アプリケーションの刷新を後押ししている。分析からコード変換、テスト、デプロイまでの工程を自動化し、移行の高速化とコスト削減を図る。
技術負債は、企業のイノベーションを阻む構造的な課題の1つとされる。Forresterによると、企業はIT予算の約20%を技術負債の管理に充てているという。
AWSによると、AWS Transformはアプリケーション分析からコード変換、テスト、デプロイまで一連の工程を自動化するエージェンティックAIベースのサービスだ。AWSが約20年にわたって蓄積してきた移行・モダナイゼーションの知見を基に、大規模環境でもスピードと精度の両立を図るとしている。
対応領域は.NETアプリケーションのモダナイゼーションに加え、SQL ServerデータベースのAmazon Aurora PostgreSQLへの移行、レガシーUIフレームワークやデプロイプロセスの改善など、Windows環境全体の刷新に及ぶ。AWSは、顧客が移行速度を最大5倍に高め、運用コストを最大70%削減できるとしている。
ExperianはAWS Transformを活用し、7本のレガシー.NETアプリケーションをモダナイズした。開発者の作業負担を40%削減し、エンジニアリング工数で約300日分を削減したという。
IDEMIAは、従来の4倍の速度でモダナイゼーションを完了した。.NET 8への移行によりセキュリティ体制を改善し、総所有コスト(TCO)も30%削減したという。
AWSはこのほか、反復的なコードアップグレードやランタイム移行の自動化に向けた「AWS Transform Custom」も提供する。Java、Node.js、Pythonのアップグレードなど、一般的なシナリオに対応した変換機能を提供するという。
メインフレーム環境では、分析とテストの自動化によってモダナイゼーション期間の短縮を支援する。BMW Groupは、テスト時間を75%削減し、テストカバレッジを60%広げたとしている。
VMware環境向けには、アプリケーションの依存関係分析と移行計画の策定を自動化し、大規模移行を支援する。CSLは、29カ所のデータセンターと1072件のアプリケーションを対象に、初期の移行計画の策定期間を10分の1に短縮し、少なくとも10.5週間分の作業時間を削減したという。
AWSは、Accenture、Capgemini、Pegasystemsなどと連携し、業種別要件を反映したコンポーザブルなトランスフォーメーションも提供している。金融やヘルスケアなどの規制業種でも、業界固有の知見やワークフローをモダナイゼーションに適用できるとしている。