Ganfeng Lithiumが、エネルギー密度650Wh/kg級の半固体電池の量産を開始した。現時点では非車載用途向けとして設計されているが、今後EVへの適用が進めば、高エネルギー密度電池市場の勢力図を左右する可能性がある。
海外メディアの報道によると、Ganfeng Lithiumは世界のリチウム金属市場で約45%、中国国内では約70%を占めるリチウム化合物・金属の大手生産企業。Tesla、Volkswagen、Hyundai Motorなどグローバル完成車メーカーのサプライチェーンとも接点を持つ。最近では、Hyundai MotorとEV用電池の主要原料である水酸化リチウムの供給に関する4年契約を結んだとされる。
同社はEVやエネルギー貯蔵装置(ESS)、産業機器向けにリチウム電池製品を供給している。今回公開した新型のリチウムハイブリッド半固体電池は、400〜650Wh/kgのエネルギー密度を実現した。
中国メディアAutohomeによると、この電池は現段階では車載以外の用途を想定している。ただ、今後はEVへの展開余地が大きいとみられている。
また、今月中国で開かれた全固体電池イノベーション・開発サミットで、Ganfeng Lithiumは「ゼロストレイン」のリチウム合金負極と、硫黄系正極技術を公表した。負極の膨張率は充放電時でも3〜5%に抑えられ、釘刺し試験と250度の高温試験を通過したとしている。
同社は500超の小型サンプルを評価し、このうち20件を量産段階に進めた。全固体電池についても、サンプル段階で開発を続けているという。
中国の電池業界では、全固体電池を巡る競争が一段と激しくなっている。FAWグループは、リチウムリッチマンガン系の半固体電池を車両に搭載したと発表した。
FAWグループによれば、この電池はセルのエネルギー密度が500Wh/kg超、容量は142kWhで、航続距離はCLTC基準で1000km超に達する。
BYD、CATL、トヨタ、メルセデス・ベンツなど主要各社も、2027〜2028年の小規模な全固体電池生産を目標に掲げている。
全固体電池は、高いエネルギー密度や長い航続距離、急速充電を実現し得る次世代技術として注目されている。一方、リン酸鉄リチウム(LFP)電池やナトリウムイオン電池も、価格、安全性、耐久性の面で競争力を維持しており、次世代電池の主導権を巡る競争は複線的に進む見通しだ。
業界では、Ganfeng Lithiumの半固体電池量産がEV向け採用に結び付けば、高エネルギー密度電池市場に少なからぬ影響を与えるとの見方がある。