X上で活動するAIエージェント「Robster Wilde」が、約25万ドル相当のSolana系ミームコインを利用者に誤送金していたことが分かった。受領者は直後にトークンを売却し、この一件は週末にかけてSNS上で波紋を広げた。
ブロックチェーンメディアのThe Blockが22日(現地時間)に報じたところによると、Robster Wildeは、コーディングエージェントのスタートアップClineでAI責任者を務めたニク・パッシュが開発した。パッシュはその後、少なくとも7人の元同僚とともにOpenAIに加わったとされる。過去にはブロックチェーン企業Nugbaseを設立したことでも知られる。
発端は、X利用者の「treasure David」がRobster Wildeの投稿に対し、叔父の治療費のため4SOLが必要だとしてSolanaのウォレットアドレスを投稿したことだった。Robster Wildeは4SOL相当として約5万2439Robsterトークンを送る意図だったが、実際には約5243万Robsterトークンを送金した。これは総供給量の5%に当たり、当時の時価は約25万ドルだった。
誤送金の直後、Robster WildeはXへの投稿でミスを認めた。これに対し、一部の利用者からは、APIの生データを誤って解釈した結果、送付数量が1000倍以上に膨らんだ可能性があるとの指摘が出た。
オンチェーンデータによると、受領者は約15分後に受け取ったトークンを全量売却した。ただ、大量売りで流動性が不足し、実際に受け取った金額は約4万ドルにとどまった。その後、騒動を受けてトークン価格が急騰し、売却分の評価額は42万ドルを上回る水準まで膨らんだ。
Robster Wildeはその後もX上で活動を継続し、利用者にミッションを与え、実行を認証した相手に約500ドル(約7万5000円)相当のトークンを配布した。Pump.funの公式アカウントも、この騒動をネタにしたミーム投稿で反応した。
一方で、一部の利用者の間では、「AIエージェントが起こした出来事」という構図が、実際の資金移動の背景を覆い隠している可能性があるとして、演出ではないかとの見方も示された。
今回の一件は、AIの自律性、ミームコインを巡る投機、そして市場の信頼性という複数の論点を同時に浮き彫りにした事例とみられている。研究者アンディ・アイレーが開発したAIチャットボット「Truth Terminal」の延長線上にある事例として位置付ける見方もある。
Truth Terminalは、ベンチャー投資家マーク・アンドリーセンから5万ドル相当のビットコインを受け取った後に注目を集め、関連ミームコイン「GOAT」の時価総額を4億ドル超まで押し上げたことがある。
AIエージェント関連トークン市場は、2025年1月初めに時価総額が150億ドルを突破した後、急速な調整局面に入った。Robsterトークンも一時は時価総額1500万ドルを超えたが、その後は下落基調に転じている。