写真=Krafton。新設したCAIOに就くイ・ガンウク氏

Kraftonは2月23日、AI本部長のイ・ガンウク氏を最高人工知能責任者(CAIO、Chief AI Officer)に起用したと発表した。CAIOは今回新設したポストで、AIの研究開発と中長期の技術戦略を統括する。

同社は起用の理由について、イ氏がAI分野で培ってきた専門性に加え、研究開発とプロジェクト運営の両面で実績を積み重ねてきた点を評価したとしている。研究実績、リーダーシップ、実行力を総合的に勘案した。

イ氏は今後、ゲームAIの研究開発の高度化を軸に、フィジカルAIを含む中長期の技術拡張を担う。あわせて、設立予定の別法人「Ludo Robotics」の責任者として、中長期の新規事業も主導する方針だ。

イ氏はディープラーニングや機械学習をはじめ、AI全般を研究してきた専門家。2016年に米カリフォルニア大学バークレー校で電気・コンピューター工学の博士号を取得し、2019年からはウィスコンシン大学マディソン校の電気・コンピューター工学部で教授を務めた。

2022年からはKraftonのAI本部長を務め、AI研究体制の整備と技術力の高度化を進めてきた。特に2025年はNVIDIAとの協業プロジェクトを統括し、ユーザーとAIがリアルタイムに相互作用するCPC(Co-Playable Character)を公開した。

Kraftonは今回の人事を通じて、ゲームAIの研究開発体制を強化するとともに、基盤技術に立脚した中長期の事業戦略を加速させる考えだ。AIについては、開発者の創造性を広げ、ユーザー体験を変革するためのツールとして高度化を進めるとしている。

同社のAI戦略は、(1)ユーザー体験の革新(2)制作・運営の効率化(3)中長期の新たな成長エンジンの確保――の3本柱で推進する。

ユーザー体験の革新では、ゲームに活用できるAI技術を高度化し、CPCのようなAIベースのインタラクティブコンテンツの完成度を高める。ゲームへ直接適用できる中核AI技術を継続的に強化し、共通基盤の構築も進める。各スタジオはその基盤の上で創作の自律性を維持しながら、プロジェクトの特性に応じてAI機能を選択的に活用する。

制作・運営の効率化では、反復的で負荷の高い業務を減らし、開発者がより創造的な企画と実装に集中できる環境を整える。制作段階ではデータ分析や制作支援技術を高度化し、運営段階ではユーザーデータを活用してサービス品質と安定性を高める方針だ。効率的な開発環境を整備し、創作力を継続的に支える。

中長期の新規事業では、AIの基盤技術とゲーム企業としての強みを生かし、フィジカルAIとロボティクスの研究を続ける。研究は別法人を通じて進める計画で、米国に持株会社を置き、韓国に子会社を設立する体制を準備しているという。

法人名はLudo Roboticsで、韓国法人はイ氏が率いる予定だ。Kraftonは、ゲーム開発・運営を通じて蓄積してきた大規模なインタラクションデータと仮想世界の運営経験が、フィジカルAIやロボティクス研究において競争力になり得るとみている。とりわけ、ロボットの知能を担うソフトウェアを中心に、実環境では反復実験が難しい領域を仮想環境で検証できる点に、中長期の研究余地があると判断している。

イ氏は「Kraftonは、AIを人間や創作を置き換える技術ではなく、想像力と創造性を広げるための道具と捉えている」とコメントした。そのうえで、「ゲームという中核事業を軸に、AI技術とデータに基づく長期的な拡張可能性もあわせて検討していく」と述べた。

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