SK telecomは2月23日、第3弾となる6G白書「ATHENA」を公表した。AI時代を見据えた中長期のネットワーク進化戦略をまとめたもので、関連する主要技術の一部はMWC26で展示する。
今回の白書は、同社が継続的に公開してきた6G白書シリーズの最新作に当たる。2023年版では6G移動通信の標準化に必要な中核要件と技術動向を取り上げ、2025年版では本格化するAI時代に対応する通信インフラの方向性を示していた。
2030年以降の6G商用化を視野に入れた今回の白書では、セキュリティ脅威の高度化やネットワーク運用のパラダイム転換など、通信を取り巻く環境変化を整理。その上で、運用効率の向上、顧客体験の革新、ネットワークの収益化に向けた中長期戦略を打ち出した。
進化ビジョンの柱としては、AI技術をネットワークに統合する「AIネイティブ」、ゼロトラストセキュリティ、5G・6G・衛星通信を包含する融合インフラ「ユビキタス」、オープンエコシステム、クラウドネイティブ化による柔軟性、顧客体験の最大化――の6つを挙げた。
SK telecomは、これらのビジョンを実現する中長期のネットワークアーキテクチャを「ATHENA」と定義。ネットワーク全領域にわたる構造と進化の方向性を示したとしている。
無線アクセスネットワークについては、仮想化とオープンインターフェースを基盤に、AIが自律的に状態を把握して最適化する構造へ進化すると説明した。コアネットワークと伝送ネットワークは、AIがトラフィックや異常を自動で管理・制御するクラウド基盤型の構造へ発展するとした。
MWC26では、こうした構想に関連する主要技術も展示する。ネットワークに適用する各種AIエージェントのほか、通信とAIサービスを同時に提供する「AI基地局(AI-RAN)」、オンデバイスAIを活用したアンテナ最適化、電波信号を使って周辺環境の情報を収集する「通信・センシング統合」技術などを披露する予定だ。
SK telecomでネットワーク技術を統括するリュ・タクギ氏は、「6G時代の不確実性の中でも顧客価値を最優先に、AI、仮想化、オープン化、ゼロトラストセキュリティを組み合わせていく」とコメントした。その上で「今後10年を見据え、未来の通信インフラ進化を主導し、新たな成長機会を創出していく」と強調した。