2025年、韓国の暗号資産取引所Upbitで取引量首位となったのはBitcoinではなくXRPだった。画像=Reve AI

デジタル資産市場が再び不安定さを強めている。Bitcoinは関連企業の動向や「デジタル金」としての位置付けを巡る懐疑を背景に調整色を強める一方、XRPには急騰期待や時価総額上位浮上を見込む強気論が広がっている。加えて、BlackRockとJ.P.モルガンによる実物資産(RWA)トークン化への参入、イーロン・マスク氏が率いるXの金融機能拡充、USDCを使った機械間決済の実証なども市場の関心を集めている。

まずXRPを巡っては、強気な見方が相次いでいる。DeFiエコシステムの拡大や戦略的M&Aへの期待を背景に、上昇余地を指摘する声が目立つ一方、価格調整や大口売りといった下押し要因も残っており、相場の先行きを巡る見方はなお分かれている。

韓国市場では、5兆ウォン規模に上るXRPの大口売りが出たとの見方が広がり、市場に動揺が走った。個人投資家心理が冷え込むなか、この売りを主導したのがクジラなのか、特定の機関なのかを巡って分析が続いている。韓国の取引所がXRP売買で高い比重を占めることを踏まえると、同市場での短期的な利益確定がグローバル価格の下押し要因になった可能性もある。

ウォール街の強気派として知られるトム・リー氏は、XRPについて「本格的な上昇はまだ始まっていない」との見方を示した。足元の調整は上昇に向けたエネルギーを蓄える過程であり、規制を巡る不透明感の後退と機関投資家マネーの流入が重なれば、大幅高もあり得るとしている。投資家に対しては、短期的な値動きに振り回されず、長期視点で相場を見るべきだと訴えた。

TradeShipの創業者も、2030年までにXRPがBitcoinを上回り、暗号資産の時価総額で首位に立つ可能性があると予測した。Bitcoinの処理速度や拡張性の限界を指摘する一方で、グローバル金融システムにおける決済ネットワークとしてのRippleの実用性に注目した格好だ。価値保存手段にとどまらず、通貨としての機能を担いうる点をXRPの強みとみている。

これに対し、Bitcoin支持層の間ではXRPへの警戒感も根強い。XRPの台頭は暗号資産市場の資金を分散させ、Bitcoinの支配力を弱めるための伝統金融による「分断戦略」にすぎない、との主張も出ている。分散性を重視するBitcoin陣営と、企業主導の効率性を志向するRipple陣営の対立が改めて浮き彫りになった。

AIモデルによる価格予測でも、XRPの強気シナリオが示された。過去の値動きや市場流動性、テクニカル要因を学習した分析では、2026年のXRP価格が最大8.5ドル(約1275円)に達する可能性があるという。感情要因を排した分析でも、長期的な上昇トレンドが示唆されたとしている。

一方、Bitcoinは調整局面が続き、「デジタル金」としての安全資産性を巡る疑念が強まっている。MicroStrategyがBitcoin買い増しを中断したとの見方が市場心理を冷やし、著名アナリストの間でも慎重論が目立ち始めた。強気見通しと弱気見通しが交錯し、足元が底値圏なのか、それとも一段安の入口なのかを巡って市場の判断は割れている。

これまでBitcoin買いを積極化し、相場上昇をけん引してきたMicroStrategyについては、買い入れ中断観測が伝わったことで警戒感が広がった。機関投資家の行動変化は相場に与える影響が大きく、追加下落への不安を誘う材料と受け止められている。「無限買い」にも見えた戦略が転換点を迎えたのか、それとも一時的な調整にとどまるのかが焦点だ。

マクロ経済が不安定な局面でもBitcoinが他のリスク資産と連れ安になる場面が増えたことで、インフレヘッジや安全資産とみなす従来の見方にも揺らぎが出ている。投資家の関心は単なる価値保存だけでなく、AIとの接点を持つ銘柄や、実体経済での活用可能性が見込まれるユーティリティ系トークンにも広がりつつある。Bitcoinが独占してきた市場の構図が、転換点を迎えているとの見方もある。

米国の著名な暗号資産番組の司会者も、12年間にわたりBitcoinの上昇を信じてきたが、足元では将来に懐疑的な見方を示した。技術革新の停滞を指摘する声があるなか、ボラティリティの高さや規制を巡る不透明感に疲弊する長期投資家の心理を映した発言ともいえる。Bitcoin強気一辺倒だった層にも見直しの動きが出始めている。

Bitcoinの底値を巡っては、Bloombergが業界関係者の見方をまとめて報じた。マクロ環境の悪化やETFからの資金流出が続くなか、真の底入れはまだ確認できていないとする慎重論がある一方、悪材料は相当程度織り込み済みで反発局面が近いとみる楽観論も根強い。相場の方向感を欠く状況が、投資家の迷いを深めている。

こうしたなか、次の成長テーマとして存在感を高めているのがRWAトークン化だ。BlackRockとJ.P.モルガンといった伝統金融大手の参入により、デジタル資産市場の重心が投機から金融インフラへと移りつつあるとの見方が出ている。機関投資家の資金配分が多様化するなか、EthereumやCardanoなどのプラットフォーム系銘柄も主導権争いを強めている。

世界最大の資産運用会社BlackRockとJ.P.モルガンがRWAトークン化市場に本格参入したことで、市場の注目度は一段と高まった。国債や不動産、美術品など現実世界の資産をブロックチェーン上で扱うRWAは、暗号資産市場における次のメガトレンド、あるいは到達点になるとの見方もある。ウォール街大手の参入は、暗号資産市場の位置付けが投機中心から機関投資家向けインフラへと変わりつつあることを示す動きといえそうだ。

米ハーバード大学の基金は、保有していたBitcoin現物ETFを大幅に減らす一方、初めてEthereumに投資した。機関投資家の資産配分が単一資産から、スマートコントラクトやWeb3インフラを担う主要アルトコインへ広がっていることを示唆する動きだ。Ethereumの中長期的な成長性に資金が向かった形でもある。

Cardanoを巡っても見方が分かれる。価格低迷が続き歴史的な安値圏に接近するなか、テクニカル面からは反発余地を指摘する声が出ている。暗号資産系YouTubeチャンネル「The Moon Show」は、Cardanoが心理的な下値支持線を固めつつあり、売られ過ぎの水準に入ったと分析した。技術開発の進展が価格に十分織り込まれていないとして、投資家心理が反転した場合の上値余地に注目している。

一方、Cardano陣営はエコシステム内の流動性不足を補うため、2月に新たなステーブルコイン「USDCx」を正式に立ち上げる方針だ。DeFi分野で優位に立つEthereumや、急速に存在感を高めるSolanaに対抗し、競争力の立て直しを図る狙いがある。安定した基軸通貨の導入が、Cardanoエコシステムの活性化や利用者流入につながるかが焦点となる。

市場を取り巻く外部環境の変化も加速している。イーロン・マスク氏が率いるXは、暗号資産や株式の取引機能を取り込み、金融プラットフォーム化を進める構想を打ち出した。さらに、ロボットやAIシステムが人手を介さずに決済する「無人経済」の現実味も増している。SECの規制緩和観測や、香港の暗号資産に前向きな政策、ドル安といったマクロ要因を、2026年に向けた追い風とみる声もある。

マスク氏は、自身が買収したX(旧Twitter)に株式と暗号資産の売買機能を組み込む考えを示している。Xを単なるSNSではなく、テキストや動画共有に加え、金融サービスも提供する「Everything App」へ進化させる構想だ。ソーシャルサービスと暗号資産の融合によって、個人投資家のアクセスが広がり、新たな流動性を呼び込む可能性も指摘されている。

Ethereum創設者のビタリック・ブテリン氏は、暗号資産ベースの予測市場について、本来の社会的な情報集約機能よりも、短期的な出来事に賭ける投機色が強まっているとして懸念を示した。集団知を集める仕組みが刺激的な話題や短期売買に偏れば、その価値が損なわれかねないとの問題提起だ。

USDCを用いた機械間決済の実証にも関心が集まった。AIロボットシステムが人手を介さず、ドル連動型ステーブルコインのUSDCでサービス利用料を支払うテストが成功したという。ブロックチェーンとステーブルコインが、人間を介さないM2M経済の決済インフラとして定着しうる可能性を示した形だ。暗号資産が単なる投機対象にとどまらず、無人経済時代の通貨基盤へ発展する余地を示す事例として注目される。

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