予測市場プラットフォームのPolymarketとKalshiのデータが、ニュースコンテンツの一部として扱われるケースが広がっている。The Vergeは20日(現地時間)、こうした動きが報道と賭博の境界を曖昧にしていると報じた。
The Vergeによると、Polymarketはニュースレター配信基盤のSubstackとの提携を拡大し、予測市場データの流通先を広げている。Substack上でデータを共有し、それを活用するクリエイターに報酬を支払う仕組みも導入しているという。
この流れは提携先の拡大にとどまらない。Dow JonesはWall Street Journalを含むコンテンツにPolymarketのデータを反映しており、CNNとCNBCもKalshiのデータを報道に活用した。政治統計分析で知られるネイト・シルバー氏は、現在Polymarketのアドバイザーを務めている。
さらに、Robinhoodの最高経営責任者(CEO)ブラッド・テネフ氏は、「ニュースより予測の方が価値を持つ」との見方も示しているという。
予測市場が報道で取り上げられる流れは、政治報道を起点に強まった。2024年の米大統領選では世論調査の信頼性が揺らぎ、代替的な指標として予測市場が注目を集めた。その結果、PolymarketやKalshiのデータが記事中で頻繁に引用されるようになった。
ただ、The Vergeは、報道は本来すでに起きた事実を伝える営みであり、将来の結果に賭ける予測市場データそのものはニュースとは異なると指摘している。
一方、予測市場を巡ってはインサイダー取引の疑いも取り沙汰されている。ベネズエラ大統領の誘拐事件の直前に賭けて約50万ドル(約7500万円)を得たケースや、Googleの年末検索語ランキングに賭けて100万ドル超(約1億5000万円)を得たケースが代表例として挙げられた。利用者全体で実際に利益を上げられる割合は約3分の1にとどまるとの分析もある。
公共性の追求を使命としてきたジャーナリズムが、結果として賭博プラットフォームのマーケティング手段として取り込まれかねない――。予測市場データの報道活用が広がるなか、メディアの中立性をどう担保するかが改めて問われている。