海外生産のiPhoneに25%超の関税を課す可能性に言及したトランプ米大統領(写真=Reve AI)

米最高裁は20日(現地時間)、ドナルド・トランプ米大統領が国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に導入した広範な関税措置について、違法との判断を示した。課税権は憲法上、議会に専属するとして、大統領権限の行使に一定の歯止めをかけた形だ。

CNBCなどによると、最高裁は6対3で、1977年制定のIEEPAに基づき、ほぼすべての輸入品を対象に関税を課した措置は、議会にのみ認められた課税権を侵害すると結論づけた。

今回の判断は、トランプ大統領が世界的な貿易不均衡や国家安全保障を理由に、中国、カナダ、メキシコなど主要貿易相手国に高関税を課してきた通商政策の根幹に影響を及ぼす可能性がある。これらの関税は、政権が通商交渉を進めるうえでの重要な手段と位置づけられてきた。

多数意見は、IEEPAは大統領に関税を課す権限を与えていないと判断し、広範な関税措置は行政府による立法権の逸脱に当たると指摘した。

一方、トーマス・キャバノーら3人の判事は反対意見を示し、トランプ政権の関税戦略は法的根拠に沿うとの立場を維持した。

判決を受け、政府はIEEPAを根拠に徴収してきた数十億ドル規模の関税収入について、還付請求に直面する可能性がある。今後、政権が別の法的権限を用いて同様の措置を講じるかどうかにも注目が集まっている。報道によると、トランプ大統領は判決直後、イベント会場で今回の決定を「不名誉な結果(disgrace)」と批判した。

今回の判決は、米通商政策の法的基盤と大統領権限の範囲を改めて示すものといえる。立法府と行政府の権力分立が貿易措置にどう適用されるかを巡る今後の議論にも影響を与えそうだ。

ニューヨーク株式市場では、トランプ政権の関税措置に不利な判断が示されたことを受け、主要指数が上昇した。関税によるコスト増に苦しんできた企業の負担が和らぐ可能性があるほか、米経済で続く根強いインフレへの懸念も後退するとの見方が広がった。

S&P500種指数は0.7%高、ナスダック総合指数は1.1%高、ダウ工業株30種平均は125ポイント(0.3%)上昇した。ダウ平均は、弱い経済指標を受けて取引序盤に200ポイント下落したが、その後持ち直した。

関税の影響を受けやすいAmazon株は、判決直後に2%上昇し、Home Depotなども買われた。ただ、市場では最高裁判断の影響は限定的にとどまるとの見方も出ている。

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