韓国政府が進める独自AI基盤モデル開発事業の第2段階が、4チームによる競争体制に入る。韓国科学技術情報通信部は20日、追加公募を通じてMotif Technologiesコンソーシアムを新たに選定したと発表した。第2段階の評価は8月上旬に実施する予定で、独自性の判断基準や産業現場への適用可能性が焦点となる。
同日、政府ソウル庁舎で開いたブリーフィングで、キム・ギョンマンAI政策室長は「韓国がグローバルAI技術競争の先頭に立てるよう、活用可能な国家の力量と資源を集中し、技術革新競争を継続する」と述べた。
この事業は、韓国政府が2025年8月に着手した国内独自のAI基盤モデル開発プロジェクト。AI主権の確保と安全保障分野での自律性の強化を掲げ、企業間競争を通じて競争力のある独自モデルを選抜する方式を採っている。
当初公募では5チームを選定し、第1段階の評価を経て今年1月にLG AI研究院、SK Telecom、Upstageの3チームが通過した。当初は1チームのみの脱落を想定していたが、Naver Cloudが中国AlibabaのQwenモデルの重みパラメータを活用したことが独自性基準を満たさないと判断され、結果として2チームが脱落した。このため追加公募を実施し、Motif Technologiesを第2段階に加えた。
第2段階ではまず4チームで開発を進め、8月上旬の評価で3チームに絞り込む。その後、追加評価を経て最終的に2チームを選定する。
追加選定されたMotif Technologiesについて同省は、独自アーキテクチャを基盤に設計したAIモデルで、比較的少ないパラメータと限られたデータ環境でもグローバル水準と競争可能な性能を実現した実績を高く評価したと説明した。海外製オープンソースモデルの構造に依存しない「純粋な独自設計」を掲げており、独自性要件を前面に打ち出した形だ。
開発計画では、300B級(3000億パラメータ)の推論型LLMを皮切りに、310B級のVLM、320B級のVLAへと段階的に高度化し、世界トップクラスの独自モデル開発を目指すとしている。
Motif Technologiesの合流に伴い、第2段階の開発日程はチームごとに異なる。既存3チームは1月から6月末までに開発を終え、Motif Technologiesには2月から7月末までの開発期間を設ける。評価は4チームの開発完了後となる8月上旬に実施する。
Motif Technologiesには、NVIDIAのB200 GPU 768基のほか、データ構築・加工費として17億5000万ウォン、データの共同購入・活用向けに100億ウォン規模の支援を行う。「K-AI企業」の呼称も付与する。
同省は、同一期間・同一GPU・同一データを原則としているが、既存3チームはすでに数カ月にわたり開発を進めている点を踏まえた措置だと説明した。キム室長は「最近は優れたモデルが相次いで登場している」と述べた上で、「企業が開発速度をさらに高めるとみており、GPUやデータの追加供給も進める」とした。
今後の最大の争点は、独自性をどう判断するかだ。政府が定義する独自AI基盤モデルは、海外モデルのファインチューニングや派生型ではなく、モデル設計から事前学習までの全工程を自社で担ったモデルを指す。重みパラメータを初期化した状態から独自に学習・最適化することを最低要件としている。
キム室長は「今回の追加選定では、独自モデル開発の経験と技術力を重点的に見た」とし、「Motif Technologiesの300Bモデルが実際に独自性要件を満たすかどうかは、7月末の開発完了時点で判断する」と述べた。あわせて、「4チームと産業界、学界の専門家の意見を集約し、細分化した基準を早期に確定する」と説明した。
政府が示した独自性の最低基準は、学習データを自社で保有していることと、問題発生時に自社で修正できる能力を備えることの2点だ。ただ、これらの基準が実際の開発現場でどこまで適用されるかを巡っては、なお解釈の余地が残るとの見方もある。
評価では性能に加え、実際の産業現場での活用可能性も重視される見通しだ。キム室長は「各コンソーシアムには開発企業だけでなく、産業現場で適用する企業も参加している」とした上で、「評価には拡張性の項目も反映する」と明らかにした。具体的な配点や評価方式は公表していない。
この日の説明では、フィジカルAIに適用できるアクションモデルの開発にも言及した。キム室長は「Motif Technologies以外の3チームも、最終目標はアクションモデルだ」と述べた。