米民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員が、暗号資産市場を巡る政府介入に改めて警戒感を示した。19日、スコット・ベッセント財務長官とジェローム・パウエル米連邦準備制度(FRB)議長に書簡を送り、暗号資産業界の救済に納税者資金を使わないよう公開の確約を求めた。
書簡でウォーレン氏は、暗号資産相場の安定化を目的とした政府介入は、最終的に「暗号資産長者」とされる富裕層投資家を利する可能性が高いと指摘した。納税者負担による救済融資には反対する立場を改めて鮮明にした形だ。
特に問題視したのが、トランプ一族の関与が取り沙汰される「World Liberty Financial(WLFI)」だ。政府による市場支援が行われた場合、特定のプロジェクトに直接・間接の恩恵が及ぶ可能性があるとして警戒を強めている。
今回の要請は、WLFIがステーブルコインUSDCに関連する債務返済のため、Wrapped Bitcoin(WBTC)を売却したことなどを受け、運営の透明性や財務健全性が再び問題視される中で行われた。
これに先立ち、ベッセント財務長官は公聴会で、ビットコイン価格が急落した場合の米連邦準備制度による介入の可能性について、「現時点でその権限はない」と説明していた。ただ、ウォーレン氏はこの回答では不十分だとして、より明確で拘束力のある確約を求めている。
ウォーレン氏は、トランプ政権が推進するビットコインの戦略備蓄構想にも否定的な姿勢を崩していない。押収資産の保有を超えて市場に影響を及ぼし得る措置は避けるべきだとの立場だ。
今回の書簡は、暗号資産の市場構造を巡る法案審議が膠着する中で出された。トランプ大統領一族の事業上の利害、公的資金投入の可否、戦略備蓄政策を巡る論争は、今後の米国の暗号資産規制の方向性を占う主要な争点となっている。