Fundstrat共同創業者のトム・リー氏が、暗号資産市場にはなお大きな成長余地があるとの見方を示した。資産トークン化が本格化すれば、XRPもその恩恵を受ける可能性があるという。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicによると、リー氏は17日(現地時間)、ドバイで開かれた「Binance Blockchain Week」で暗号資産市場に強気の見方を示した。暗号資産はすでに成長のピークを過ぎたとする一部の見方に反論し、過去10年の実績だけで業界の潜在力を判断するのは早いと述べた。
リー氏は、現時点での普及度と世界的な潜在需要の間には大きな開きがあると指摘する。説明によれば、1万ドル(約150万円)超を保有するBitcoinウォレットは約440万件にとどまる。一方、世界では1万ドル超の退職貯蓄を持つ人が約9億人いるという。
その上で、Bitcoinが将来的にこうした世界の貯蓄層に広く浸透すれば、市場の採用規模は最大で200倍に広がる可能性があるとした。成長は単なる直線的なものではなく、急速な拡大局面に入る余地があるとの見立てだ。
また、リー氏はBank of Americaの調査にも言及し、機関投資家の参入はなお限定的だと指摘した。調査では、プロのファンドマネジャーの67%がBitcoinにまったく資産配分していないと回答したという。潜在需要に比べ、実際の投資エクスポージャーはまだ低いとの認識を示した。
さらにリー氏は、伝統的金融による資産トークン化の動きにも注目した。ウォール街の主要機関は、株式や債券、商品、不動産など幅広い金融資産をブロックチェーン基盤へ移す動きを進めており、不動産まで含めたトークン化可能な資産規模は約1京ドル(約1500兆円)に達し得ると主張した。こうした資産がオンチェーン化されれば、暗号資産エコシステム全体に大規模な流動性が流れ込む可能性があるという。
こうした環境は、XRPにとっても追い風になり得る。XRPは主要暗号資産の中で約4%の市場シェアを占めるとされる。トークン化が加速し、金融取引の決済が広くブロックチェーンに移行した場合、XRPがエコシステム内で一定の流動性の役割を維持できれば、価格上昇につながる可能性があるとの見方だ。
この点について、GoogleのAIモデル「Google Gemini」は、リー氏が示した1京ドルという数字は暗号資産そのものの時価総額ではなく、長期的にオンチェーンへ移行し得る金融資産全体の総アドレス可能市場(TAM)を指すと分析した。Geminiは、トークン化エコシステムが1京ドル規模に拡大し、その中でXRPが4%のシェアを維持した場合、理論上は40兆ドル(約6000兆円)規模の価値が形成される可能性があると試算した。
これをXRPの推定流通量602億枚で割ると、単純計算では1枚当たり約664ドル(約9万9600円)になる。ただしGeminiは、これは強い前提を置いた楽観シナリオだとも位置付けた。世界的な資産トークン化の進展、ブロックチェーン決済の大衆化、そしてXRPが主要な流動性資産として定着することが、いずれも前提になるとしている。
リー氏の発言は、暗号資産市場がなお成長初期にあり、機関資金の流入と世界の資産のオンチェーン化が本格化すれば、市場規模が大きく変わる可能性を示したものといえる。一方で、その実現性は今後の規制環境や機関投資家の採用ペース、技術発展の度合いに左右される。