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Corningが、AIデータセンター向け光ファイバー需要の拡大を追い風に存在感を強めている。Metaとは60億ドル規模の契約を結び、NVIDIAも同社の光学技術をサーバーに直接統合する案を検討している。

AIブームを背景に、これまで目立たなかった企業が一気に注目を集めるケースが増えている。ガラス技術を強みとするCorningもその1社だ。

175年の歴史を持つCorningは、過去20年間にわたり光ファイバーケーブル事業で損失を計上してきた。一方、足元ではAIデータセンター建設の拡大を受け、株価は過去最高値圏に迫っている。

有力テック企業による相次ぐ協業の動きからも、AIデータセンターにおける光ファイバーの重要性と、Corningの存在感の高まりがうかがえる。

光ファイバーはこれまで主にインターネットのノード間接続で使われてきたが、現在はAIデータセンターでも中核技術になりつつある。

AIデータセンターでは、GPU間やデータセンター間で大量のデータを高速にやり取りする必要がある。その通信基盤を支えるのが光ファイバーだ。

特に重要なのが光ファイバーの高密度化で、密度が高まるほど処理スループットの向上につながる。

こうした流れの中で、Corningは光ファイバー分野の有力企業の1社とみられている。ウェンデル・ウィークスCEOは「短距離でも、光子を使ったデータ転送は電子を使う場合に比べて3倍効率的だ。長距離ではその差は20倍に達する」と述べた。

Corningを巡っては、株価を押し上げる材料も相次いでいる。最近ではMetaと、光ファイバーを巡る60億ドル規模の契約を締結した。

米Wall Street Journal(WSJ)によると、CorningはMeta以外の複数企業とも同様の取引を協議している。サーバー間接続にとどまらず、次の事業としてサーバー内部に搭載する光ファイバーの開発も進めているという。

NVIDIAは、Corningの光学技術をサーバーに直接統合する案を検討している。

CorningがAI向け事業の拡大に踏み出す契機となったのは2018年だ。当時はFacebookと呼ばれていたMetaのデータセンターを同社幹部が訪問したことがきっかけだった。

それまでCorningは、1970年代に投入して以降ほとんど変化のない製品を生産していた。

WSJによれば、Corningの経営陣は巨大なFacebookのデータセンターを訪れ、全サーバーを接続するために必要な光ファイバーケーブル需要の大きさに驚いたという。Facebookは銅ケーブルと既存の光ファイバーを併用していたが、いずれもこの用途には適していないと判断した。

Corningはこの時点から対応を急いだ。エンジニアは、強く曲げられる環境でも耐えられるよう、ケーブルをより細くしながら強度を高める開発を加速させた。

当時からAIデータセンター需要を見越していたわけではないが、この判断は結果的に奏功した。WSJは、経営陣がMetaを訪れてから5年後にChatGPTが登場し、光ファイバー基盤のデータセンター需要が爆発的に拡大したと報じている。

AI向けに光ファイバーを再設計できた背景には、Corningがアウトソーシングに依存してこなかったこともある。光ファイバーやケーブルの製造に使う機械まで自社で設計しているという。

また、Corningは製造施設の半数近くを米国内で運営している。多くの企業が先端製造インフラを海外へ移した流れとは対照的だ。

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