韓国の主要ゲーム会社5社の2025年通期業績は、成長組と構造改革組で明暗が分かれた。Nexon、KRAFTON、Netmarbleは主力IPの拡大と新作の寄与を背景に売上高が過去最高を更新した。一方、NCsoftとKakao Gamesは組織再編や収益性改善を優先し、反転攻勢に向けた基盤整備を進めた。
ここでいう「3N2K」は、Nexon、Netmarble、NCsoftの「3N」と、KRAFTON、Kakao Gamesの「2K」を指す。
◆Nexon・KRAFTON・Netmarble、売上高が過去最高に
Nexonは新作「Arc Raiders」のグローバルヒットと、主力IP「MapleStory」の成長を追い風に、通期売上高で過去最高を更新した。売上高は4兆5072億ウォン(約4958億円)、営業利益は1兆1765億ウォン(約1294億円)だった。
第4四半期の売上高は1兆1606億ウォン(約1277億円)で、前年同期比55%増となった。「Arc Raiders」の累計販売本数は1400万本を超え、同四半期の北米・欧州売上を前年同期比で約5倍に押し上げた。
「MapleStory」フランチャイズの売上は前年同期比43%増。「Dungeon & Fighter」(PC)は韓国でのサービス20周年アップデートが寄与し、通期売上が前年比108%増となった。
KRAFTONの売上高は3兆3266億ウォン(約3659億円)で、前年同期比22.8%増だった。「PUBG: BATTLEGROUNDS」IPの年間売上は初めて1兆ウォン(約1100億円)を突破した。
PCプラットフォーム売上は前年同期比16%増。11月に実施したポルシェとのコラボレーションは、同社による歴代スーパーカー協業の中で最大の成果を上げたという。
モバイルでも「BATTLEGROUNDS MOBILE」と「BATTLEGROUNDS MOBILE INDIA(BGMI)」の課金利用者数が、それぞれ前年同期比5%、27%増加した。営業利益は1兆544億ウォン(約1160億円)で前年同期比10.8%減となったが、聖水洞の新社屋移転に伴う共同勤労福祉基金への拠出816億ウォン(約90億円)などの一時費用が響いた。
Netmarbleも創業以来最高の業績となった。売上高は2兆8351億ウォン(約3119億円)、営業利益は3525億ウォン(約388億円)で、前年同期比では売上高が6.4%増、営業利益が63.5%増だった。
第4四半期も四半期ベースで過去最高を更新した。収益性改善を支えた要因として、PC決済比率の上昇とアプリストア政策の見直しを挙げた。
最高財務責任者(CFO)のト・ギウク氏は、「PC決済比率の上昇に伴い、手数料率が継続的に低下している」と説明した。株主還元の配分比率は従来の30%から40%に引き上げる方針で、2026年には保有する自己株式4.7%を全量消却する計画だ。
◆NCsoft・Kakao Games、構造改革を優先
NCsoftの売上高は1兆5069億ウォン(約1658億円)、営業利益は161億ウォン(約18億円)だった。第4四半期の営業利益は32億ウォン(約4億円)と、黒字に転換した。
共同代表のパク・ビョンム氏は、2025年をターンアラウンドの年と位置付けたうえで、2026年は本格的な成長に移る年になるとの見方を示した。既存IPの売上拡大、新規IPのグローバル展開、モバイルカジュアル事業の本格化を3本柱に、売上見通しの上限達成を目指すとしている。2026年の売上目標は2兆〜2兆5000億ウォン(約2200億〜約2750億円)。
2025年11月に発売した「AION2」は、2026年1月1日から2月9日までに約700億ウォン(約77億円)を売り上げた。第3四半期のグローバル投入を追加の成長材料とする方針だ。
2026年には「Time Takers」「Limit Zero Breakers」「Cinder City」の新規IP3本を、第2四半期後半から順次グローバル市場に投入する予定。2025年末に買収したベトナムのリフフと、韓国のSpringcomesは、第1四半期から業績に反映される。
Kakao Gamesは売上高4650億ウォン(約512億円)、営業損失396億ウォン(約44億円)となり、赤字に転落した。新作投入の空白に加え、グローバル展開に向けた先行投資が業績を圧迫した。
CFOのチョ・ヒョンミン氏は、「2025年はポートフォリオの整理と財務体質の強化を進めた1年だった」と説明。2026年は第3四半期から大型新作の寄与を見込み、下期の収益性改善を加速させる考えを示した。
2026年の中核戦略は、グローバル市場を見据えたPC・コンソール展開の拡大だ。主力IP「ODIN」を継承する「ODINQ」はグローバル向けワンビルドで第3四半期に投入し、第4四半期には「ArcheAge Chronicles」をPC・コンソール向けに発売する予定だ。
代表のハン・サンウ氏は、「自社IPの拡張に加え、プラットフォーム、ジャンル、地域の各面で多様化した高品質の新作を通じて、ターンアラウンドを実現する」と述べた。
業界関係者は、「2025年の業績は、安定したIPを持ち収益性改善に成功した企業と、新作準備や構造改革に注力した企業で差が鮮明になった」と指摘した。そのうえで、「2026年は各社の大型新作ラインアップが本格化するだけに、新作の市場成績が今後の業績を左右する」との見方を示した。