韓国の金融委員会と韓国取引所は11日、「不良企業の迅速かつ厳正な退出に向けた上場廃止改革案」を発表した。7月からKOSDAQ上場企業の上場廃止基準を大幅に厳格化し、株価1,000ウォン未満の「低位株」を新たな要件に加える。金融当局は、対象企業が従来見込みの50社前後から約150社に増え、最大220社に達する可能性があるとみている。
制度見直しは、イ・ジェミョン大統領が先月29日、X(旧Twitter)で株式市場を「百貨店」にたとえ、「商品価値のない腐った商品や偽物が多ければ、誰が来るのか」と指摘してから約2週間で打ち出された。
KOSDAQ市場では、この20年間で1,353社が新規上場した一方、退出は415社にとどまり、新規上場は多いが上場廃止は少ない構造が続いてきた。この間、時価総額は8.6倍に拡大したものの、指数の上昇は1.6倍にとどまった。
金融委員会は7月1日から、上場廃止の4大要件を全面的に強化する。柱となるのは、株価1,000ウォン未満の低位株を上場廃止要件として新設することだ。
低位株は値動きが大きいうえ、時価総額が小さく、株価操作の標的になりやすいと判断した。米ナスダックでも、1ドル未満のいわゆるペニーストックに関する上場廃止基準を設けている。
クォン・デヨン金融委員会副委員長は「低位株は取引が活発でないにもかかわらず、急騰したり、M&A思惑の対象になったりしやすかった」としたうえで、「こうした要因によるKOSDAQ市場の『動脈硬化』を確実に取り除くことが、資本市場のためになる」と述べた。
具体的には、株価が30取引日連続で1,000ウォンを下回った場合、管理銘柄に指定する。その後、90取引日のうち45取引日連続で1,000ウォン以上を回復できなければ、上場廃止となる。
株式併合による形式的な基準回避を防ぐため、併合後の株価が額面を下回る場合も上場廃止対象に含める方針だ。
時価総額基準の引き上げ時期も前倒しする。当初は年次で引き上げる計画だったが、これを半期ごとに改め、今年7月に200億ウォン、来年1月に300億ウォンへと引き上げる。
一時的な株価つり上げによる上場廃止回避を防ぐため、詳細な適用基準と市場監視も強化する。管理銘柄指定後の90取引日の間に、時価総額基準を45取引日連続で満たせなければ、上場廃止とする。
完全資本蚕食に関する基準も厳しくする。現行の事業年度末基準に加え、半期基準にも適用を広げる。
開示違反基準では、直近1年間の累積ペナルティー基準を15点から10点に引き下げる。重大かつ故意の開示違反については、1回でも上場廃止審査の対象とする。
4大要件の強化は、KOSPI市場にも同様に適用する。
韓国取引所は、KOSDAQ本部の担当副理事長をトップとする「上場廃止集中管理団」を設置し、同日から2027年6月までを集中管理期間として運営する。既存の上場廃止審査3チームに新設の1チームを加え、計4チーム・20人体制で運用し、必要に応じて人員も増強する。
集中管理の実績は、2026年の取引所経営評価に20%のウエートで反映する。上場廃止の実績を経営評価と連動させ、責任を明確にする狙いだ。
上場廃止手続きの短縮により、退出のスピードも速まる見通しだ。KOSDAQの実質審査で企業に付与できる改善期間の上限は、従来の1年6カ月から1年に短縮する。上場廃止を巡る仮処分手続きの長期化を防ぐため、裁判所との協議も進める。
取引所が実施した簡易シミュレーションでは、今回の方針を反映した場合、今年のKOSDAQ上場廃止対象企業は従来見込みの50社前後から約100社増え、150社前後になると推計された。低位株の株式併合の有無などによっては、最大220社程度に達する可能性もあるという。
制度のうち、上場廃止手続きの効率化は4月1日から、4大要件の強化は7月1日から施行する。
クォン副委員長は「この過程で粉飾会計や株価操作など、いかなる不公正行為も容認しない」と強調。「不良企業が退出した後は、その空白を有望な革新企業で埋められるよう、上場制度の改善も並行して進める」と述べた。
金融当局は昨年末、人工知能(AI)や宇宙、エネルギー産業向けに、分野別に最適化した技術特例上場制度を導入した。今年は、こうしたカスタマイズ審査の対象となる革新技術の範囲をさらに拡大する方針だ。
一方で、上場廃止基準の厳格化によって企業や投資家の混乱を招くとの懸念もある。これに対しクォン副委員長は、「本来ならもっと早くやるべきだったが、むしろ少し遅れた面もある」と述べたうえで、「市場を一度きれいに整理して進むことが、長い目で見れば望ましいのではないか」と語った。
金融委員会と韓国取引所は、旧正月連休明けに企業側の意見を聞く場を設ける予定だ。
また、店頭市場のK-OTCに上場廃止企業向けの区分を新設し、上場廃止企業の再上場を支援する方針も明らかにした。
KOSDAQで不良企業の整理が進めば、指数の押し上げにつながるとの分析もある。イ・サンホ資本市場研究院研究委員は、「2011年以降、毎年6月時点で3年連続して利子補償倍率が1倍未満の企業を指数構成から除外して再算出した場合、2024年6月末時点のKOSDAQ指数は37%高い水準になるとの分析結果が出ている」と述べた。
(聯合ニュース)