科学技術情報通信部は2026年、人工知能(AI)分野で世界3強入りを目指す政策を本格化する。独自AIモデルの確保や研究開発(R&D)制度改革を進めるほか、情報セキュリティ対策の強化や通信費負担の軽減にも取り組む。
ペ・ギョンフン副首相兼科学技術情報通信部長官は2月11日、国会で開かれた科学技術情報放送通信委員会の業務報告で、こうした方針を示した。
ペ副首相は「AI世界3強に向けた政策を本格化し、国民が実感できる成果を生み出す」と述べた。そのうえで「世界水準の独自AIモデルを確保し、製造や造船など競争力のある分野を中心にAI革新を加速する」と強調した。
同部は今年、AIコンテストや活用教育を通じて、「AIを最も使いこなす国」の実現を目標に掲げる。あわせて、次世代AI技術や人材、スタートアップの育成を進め、AIエコシステム全体の競争力を高める方針だ。ペ副首相は「フルスタックAIエコシステムの海外展開を通じて、経済基盤の拡大につなげる」と述べた。
科学技術分野では、新たな成長エンジンの確保に向け、AIを基盤とする科学技術革新と国家的課題への挑戦を柱とする「K-Moonshotプロジェクト」を推進する。国家科学者20人の指定などを通じ、理工系人材が成長しやすい人材育成の仕組みも整備する。
ペ副首相は「バイオ、量子、エネルギーなど将来の新産業に向けた基盤技術とインフラを強化する」と説明した。「基礎研究への支援を拡大し、長期的で安定した研究環境を整える」とも語った。
政府R&Dシステムの改革も継続する。研究者の挑戦を後押しするため、プロセス重視の評価体系を導入し、現場が変化を実感できるよう旧来の規制を見直す。拡大したR&D予算を成果に結び付けるため、技術開発から事業化までを省庁横断で連携する市場創出プロジェクトも進める。
同部はR&D予算審議へのAI導入も進める。類似・重複事業を抑え、投資効率を高めるのが狙いだ。R&D予備妥当性調査の廃止の趣旨を踏まえ、1000億ウォン(約100億円)以上の大型事業については、事業類型ごとのカスタム型投資・管理システムを適用し、迅速な執行につなげるとしている。
地域活性化策では、科学技術とAIを基盤とする地域エコシステムの強化にも乗り出す。ペ副首相は「地域の自律R&D予算を大幅に拡大し、地域が科学技術を基盤に自立できる力を育てる」と述べた。地域特化産業と連携した「4大地域AXプロジェクト」も推進し、地域経済の活性化を図る。
情報セキュリティ分野では、懲罰的課徴金を導入し、政府のハッキング対応能力を高度化する。ハッキング被害が発生した場合、事業者に利用者への通知を義務付け、被害の認知と対応を迅速化する。抜き打ちのセキュリティ点検についても、対象を従来の移動通信3社からプラットフォーム企業などに広げる。
通信費負担の軽減策としては、上半期中にデータプラン全般へのQoS適用を完了する予定だ。通信事業者が利用者に最適な料金プランを定期的に案内する制度も、年内に施行する。
ペ副首相は「科学技術情報通信部は、国家の未来を準備し責任を担う中核省庁として、新たな飛躍に向けて最善を尽くす」と述べた。