韓国取引所(KRX)は2月10日、AIベースのデータ分析スタートアップFairLabsを買収したと発表した。67億ウォンを投じて持分67%を取得し、最大株主となる。AIを活用して市場運営の高度化を進めるとともに、新たな収益源の創出につなげる狙いだ。
韓国取引所によると、今回の買収は1956年の大韓証券取引所発足以来、初のM&Aとなる。これまで独占的な地位の下で安定運営を重視してきた取引所が、外部の技術企業を直接買収するのは異例で、事業基盤の強化に向けた動きとして注目される。
チョン・ウンボ理事長は「今回の買収は、グローバル先進取引所のように収益創出型の組織へ転換する第一歩だ」とした上で、「単なる企業買収にとどまらず、KRXの将来の成長エンジンを確保するための戦略的な決定だ」と強調した。
韓国取引所は、過去1年間にAI・データ分野の有望企業およそ30社を検討し、その中からFairLabsを選んだという。FairLabsの非定型データの分析技術と、取引所が保有する膨大な市場データを組み合わせた場合の相乗効果が最も大きいと判断した。
今後は、市場運営全般へのAI導入を進める。まずFairLabsの技術を活用し、指数・データ事業の競争力を高めるとともに、インデックス商品の開発を加速する計画だ。
市場監視や管理業務にもAI活用を段階的に広げる。膨大な注文・気配・約定データをリアルタイムで分析し、不公正取引の兆候を早期に把握するほか、業務効率の改善にもつなげる方針だ。
中長期的にはFairLabsを、取引所の中核的な研究開発(R&D)組織として育成し、新規収益源の創出拠点に位置付ける。チョン理事長は「今後も新規事業の発掘や技術協力など、さまざまな形で事業領域を広げていく」と述べ、追加のM&Aの可能性も示唆した。