キム・ジョンチョル放送メディア通信委員長が10日、国会の科学技術情報放送通信委員会全体会議に出席し、質疑に答弁した。写真=聯合ニュース

放送メディア通信委員会は10日、国会の科学技術情報放送通信委員会全体会議で、発足後初の業務報告を行った。放送事業者の再許可、Grokを巡るディープフェイク対策、普遍的視聴権、統合メディア法、情報通信網法の施行準備などが主要論点となった。

キム・ジョンチョル委員長が2025年12月18日に初代委員長へ任命されて以来、約2カ月ぶりの国会報告となる。

◆放送事業者の再許可が焦点 「最優先で処理すべき課題」

共に民主党のチョ・インチョル議員が放送事業者の再許可についてただしたのに対し、キム委員長は「先送りされ、期限を過ぎた案件もある」とした上で、「委員会が構成されれば、最優先で処理すべき代表的な案件だ」と述べた。

地上波放送局は放送法に基づき、許可期間の満了前に再許可を受ける必要がある。KBS 1TV、MBC、EBSなど地上波12社は2024年12月31日、コミュニティラジオ4社、DMBなど8社、総合編成チャンネル1社は2025年中に許可・承認期間が満了した。ただ、放送メディア通信委員会の前身にあたる放送通信委員会の混乱で、審査は進まなかった。

チョ議員は「BBCですら地上波放送の中止が取り沙汰されている」と述べ、「メディア環境の変化を踏まえ、地上波放送をどう位置付けるのか真剣な検討が必要だ」と指摘した。これに対しキム委員長は、「将来の環境変化を反映できるよう、実務的な準備を進めている」と答えた。

◆Grokのディープフェイクや有害配信 「青少年保護が急務」

共に民主党のイ・ジュヒ議員は、YouTubeやXなどのグローバルプラットフォーム上で、性的搾取物や人権侵害に当たる違法情報が無差別に流通していると指摘した。

イ議員は、女性を競売の対象のように扱い、「実物の方がもっときれいだ」「15万ウォンで落札」として連絡先やデート券を売る配信が横行していると批判。さらに、Xのリアルタイムトレンドでも「条件付きの出会い」「個人移動」といった売春の隠語が上位に表示されていると述べた。

また、XのAIチャットボット「Grok」が、女性著名人にとどまらず一般人や児童・青少年まで対象にディープフェイクの性的搾取物を無差別に生成し、世界的な論争を招いた事例にも言及した。イ議員は「現在の過料は最大1000万ウォンにとどまり、十分とは言えない」とし、「児童青少年デジタル安全法を推進するので、放送メディア通信委も積極的に協力してほしい」と求めた。

キム委員長は「立法趣旨に共感する」と述べ、協力する考えを示した。

放送メディア通信委は1月、X側に対し、Grokサービスに関する青少年保護措置を要請した。青少年のアクセス制限や管理措置を含む具体的な保護計画の策定を求めるとともに、韓国では本人の意思に反する性的な虚偽映像物の制作、流通、所持、視聴が刑事処罰の対象になることを明確に伝えたとしている。

◆冬季五輪やプロ野球の視聴環境に懸念 普遍的視聴権が争点

与党・国民の力のシン・ソンボム議員は、JTBCによるミラノ冬季五輪の独占中継を取り上げ、普遍的視聴権が侵害されていると問題提起した。

シン議員は「地方の高齢者には、冬季五輪をどのチャンネルで見ればいいのか分からない人もいる」とし、「プロ野球は1200万人観客の時代なのに、家庭では視聴できない。OTTアプリを入れ、会員登録し、決済しなければならない」と指摘した。さらに「高額な放映権料で買い付けが進めば、地上波は広告収入だけでは購入できず、結局は国民負担に転嫁される」と批判した。

シン議員は、放送法第76条に基づく普遍的視聴権の審議を経たのか、JTBCが公正かつ合理的な価格で提供したのかなどを重ねて確認した。これに対しキム委員長は「法的に強制は難しいが、地上波との共同中継など多様な方策を模索している」と説明し、「メディア環境の急変に対し、放送行政が十分に追いついていなかった」と認めた。

◆統合メディア法の制定も俎上 「省庁間の縦割り解消が必要」

共に民主党のイ・フンギ議員は、統合メディア法(視聴覚メディアサービス法)の制定が必要だと強調した。現在のメディア行政は、放送メディア通信委が地上波と有料放送、科学技術情報通信部がOTTなどオンラインプラットフォーム、文化体育観光部がコンテンツ振興を所管しており、権限が分散している。

イ議員は「省庁間の業務分掌を見直すか、統合しなければならない。十分な調整ができていない」と指摘した。統合メディア法を巡っては15年以上にわたり議論が続いているが、なお制定には至っていない。1月には、チェ・ミンヒ科学技術情報放送通信委員長が法案の草案を公表し、議論が再び加速している。

キム委員長は「省庁間の政策協議体を運営しており、首相傘下のメディア発展委員会の早期発足も検討している」とした上で、「関係省庁と緊密に意思疎通し、法制定に積極的に協力する」と述べた。

◆SNS過依存対策と情報通信網法改正も論点に

チョ・インチョル議員は、青少年のSNS過依存対策を進める手順に問題があると指摘した。

チョ議員は「青少年特別委員会の意見を踏まえて草案を作ると言うが、その進め方は適切なのか」とし、「草案はまず国民全体を対象に作成し、その後に青少年の意見を聞くのが妥当だ」と述べた。

これに対しキム委員長は、「青少年特別委員会だけでなく、専門家、教員、保護者の意見も反映する」とし、「草案の作成段階から多様な利害関係者の声を聞く」と答えた。

国民の力のチェ・スジン議員は、最近可決された情報通信網法改正案について、「国際ジャーナリスト連盟も、表現の自由や報道の自由に影響を及ぼしかねないとの懸念を示している」と指摘した。さらに、「一部の外交・通商ルートでは、国際的な技術協力に影響する可能性も懸念されている」とし、「虚偽情報の定義も曖昧で、公共の利益の範囲も明確ではない。グローバルプラットフォーム企業とどのような協議を進めているのか」とただした。

キム委員長は「憲法の原則と国際基準に合致するよう、下位法令の整備を進めている」と説明し、「3月中の立法予告と、7月7日の施行日前までの閣議決定を目標としている」と述べた。

国会は12日の本会議で、放送メディア通信委の委員を議決する予定だ。現在は、大統領が指名したキム・ジョンチョル委員長とリュ・シンファン非常任委員の2人体制で運営している。国会推薦枠の5人(与党2人、野党3人)が議決されれば、会議開催要件となる在籍委員4人以上を満たすことになる。

国民の力のチェ・ヒョンドゥ幹事は「野党の公職者推薦委員会で最終検証の段階にある」とし、「12日に議決されるとみている」と述べた。

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