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Storyは2月10日、物理AI向けデータ収集プラットフォーム「ZenO」の公開ベータ版にブロックチェーン技術を統合し、物理AIの学習に必要な実世界データの収集・権利管理基盤を拡充すると発表した。

ZenOは、ロボットや自律エージェント、組み込みAIモデルなど次世代の物理AIの学習向けに、一人称の実世界データを収集・匿名化・構造化するプラットフォームだ。Storyのブロックチェーンを活用し、ユーザーが生成したデータセットのメタデータやライセンス情報をチェーン上に記録することで、プログラム可能な権利管理や透明性の高いライセンシング、AI学習データの自動的な収益分配に対応する。

ZenOでは、日常生活の中で人が「見る」「聞く」「行動する」といった一人称データを収集する。データは音声・映像の取得に対応したZenOスマートグラス、またはスマートフォンで記録できるという。

今回のベータ版は、既存のZenOのMVPをベースに、約6〜8週間にわたって運用する。データ収集から品質検証、匿名化、構造化まで、実世界データ収集の一連の工程を検証するのが狙いだ。

ベータ運用期間中にデータ提供者がZenOアプリへアップロードしたデータは、自動フォーマット変換と整合性チェックを経た後、AIベースのスクリーニングと人手による確認を組み合わせた多段階の品質検証プロセスにかけられる。

顔や識別可能な文字情報などの機微情報は自動的に匿名化される。その後、データ提供者が映像内の環境や行動に関する構造化メタデータを追加する。承認されたデータセットは、ZenOのデータマーケットプレイス基盤上で安全に保存・管理される。

ZenOは、ウォレット署名に基づくユーザー同意情報とデータ識別情報をブロックチェーン上に記録する。これにより、データ提供者の同意の有無やデータセットの出所を検証可能な形で管理できるとしている。IPとデータの権利管理機能全体についても、今後正式サービスとして提供する予定だ。

データ提供者への報酬は、2段階のインセンティブモデルで運用する。ベータ期間中はデータ収集活動に対して経験ポイント(XP)を即時付与し、その後にデータ販売が発生した場合は、ステーブルコインで収益を分配する。

ZenO関係者は「物理AIシステムには、実環境で収集され、権利確認が完了した高品質な一人称データが必要だ」とコメント。「今回のベータ版は、こうしたデータがどのように収集・構造化され、実環境で稼働するAIモデルの学習に活用できるかを検証する段階だ」と説明した。

Storyの代表は「物理AIの時代には、実世界データの出所と権利関係を信頼できる形で管理するインフラが不可欠だ」としたうえで、「ZenOとの協業を通じて、AI学習データの権利保護と価値分配を可能にする新たなエコシステムを構築していく」と述べた。

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