イ・チャンジン金融監督院長。9日、ソウル・汝矣島の金融監督院で2026年の業務計画を発表した後、記者団の質問に耳を傾ける。写真=聯合ニュース

金融監督院は、仮想資産取引所Bithumbで発生した大規模なビットコイン誤送付問題を巡り、現場点検を本検査に切り替えた。帳簿管理や資産保管、内部統制の実態を精査し、検査結果は今後の制度整備にも反映される可能性がある。

金融当局と金融業界によると、金融監督院は9日にBithumbへ検査着手を事前通知し、10日から正式な検査に入った。誤送付問題の発生翌日の7日に現場点検を始めてから3日で、本検査へ移行したことになる。

金融監督院は事案の重大性を踏まえ、検査要員を追加投入するなど、踏み込んだ検査を行う方針だ。金融監督院関係者は「今回の事案を極めて重大に受け止めている。市場秩序を損なう行為には厳正に対処する」と述べた。

当局が特に重視しているのは、Bithumbの実際の保有量を大きく上回る規模のビットコインが、なぜ支払われたのかという点だ。

Bithumbなどの中央集権型取引所(CEX)は、顧客から預かったコインを自社のウォレットで保管し、売買のたびにブロックチェーン上で直接処理するのではなく、帳簿上の残高を更新する形で運営されている。

2025年7〜9月期時点のBithumbのビットコイン保有量は約4万2000個。このうち会社保有分は175個で、残りは顧客の預託分だった。現在の保有量は、これを上回る約4万6000個前後とみられている。

金融監督院は、こうした保有規模にもかかわらず、実保有量の13〜14倍に当たる62万個が支払われた経緯を、今回の検査の核心に据える。

業界内外では、仮想資産事業者に対し、利用者から預かった仮想資産と同じ種類・数量の資産を実質的に保有するよう求める「仮想資産利用者保護法」に抵触した可能性も指摘されている。

別の金融当局関係者は「仮想資産市場全体の信頼を揺るがしかねない事案だ。誤送付された62万個のコインが、一度に実際の出金まで可能な仕組みだったのかどうかも、検査で確認することになる」と話した。

金融監督院は、Bithumbの内部統制体制についても重点的に点検する方針だ。担当者1人の操作でコインを送金できる仕組みに問題がなかったかを調べるとともに、帳簿上の数量と実際の保有残高を照合するモニタリング体制が適切に機能していたかも確認するとみられる。

金融当局は、今回の検査結果を仮想資産を巡る第2段階立法の補完課題として活用する考えだ。

イ・チャンジン金融監督院長は9日の記者懇談会で、「ゴーストコイン問題をきちんと解決できなければ、仮想資産市場をどう制度圏に組み込めるのか。検査結果を反映し、第2段階立法で強力に補完すべき課題が導き出された」と述べた。

内部統制の不備が明らかになれば、仮想資産取引所の大株主の持ち分比率を15〜20%に制限しようとする議論に弾みがつくとの見方も出ている。

(聯合ニュース)

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