Samsung Electronicsの医療機器事業部とSamsung Medisonは2月10日、中東最大級の医療展示会「WHX Dubai 2026」で新製品を公開すると発表した。超音波診断装置の新モデル「V4」と「Evo Q10」を世界展開するほか、プレミアムモデル「R20」を中東で初めて披露する。
V4は、システムレベルのパッシブ冷却構造を採用したファンレスの超音波診断装置。高性能な演算処理と安定した熱制御を両立し、同社は世界初のファンレス超音波診断装置だとしている。外気やほこりの装置内部への流入を抑え、装置寿命の延長と静かな検査環境の実現につなげる。
最新のIntel NPUを採用し、回路設計と機構設計を一体で最適化した次世代機と位置付けると、同社は説明した。消費電力は従来比で35%削減しながら、高解像度を維持したという。
Evo Q10は、V4の携帯性を高めたノートPC型の製品で、現場での診断需要を想定したモデルだ。高解像度の画像性能とAI機能をコンパクトな筐体に搭載し、救急、外来、移動診療の現場で迅速かつ正確な診断を支援する。
タッチスクリーンを採用し、操作部の凹凸を最小限に抑えた。IP22等級の防水性能も備え、消毒や日常管理のしやすさを高めたとしている。
X線分野では、被ばく線量を抑えながら検査効率の向上を図った「GC85 Vision+」と「GM85」も出展する。GM85には、撮影範囲をリアルタイムで確認できる「アナトミー・クリッピング・チェック」機能を追加した。
重量を1.5kgまで軽量化したガラスフリー検出器「F3025-AW」も公開する。乳幼児の微細な器官など、小さな構造物の描写に対応する高解像度製品として訴求する。
展示会期間中には「Samsung AIシンポジウム」も開催する。ローマ・サピエンツァ大学放射線科副学長のビト・カンティサニ教授が、肝臓・腹部診断におけるSamsungのAI診断支援機能の臨床活用事例を紹介する予定だ。
また、産婦人科専門医のヒシャム・ミルハニ教授は、プレミアム超音波診断装置「HERA Z20」を用いたライブスキャンを実演する。
Samsungは会期中、中東地域の病院や政府機関、現地パートナー、流通各社との協力拡大を図り、新たな事業機会の開拓につなげる方針だ。ユ・ギュテSamsung Electronics医療機器事業部長兼Samsung Medison代表は「中東はSamsungの医療機器事業にとって重要な戦略市場だ」としたうえで、「先端AI技術に基づく診断ソリューションを通じて現地医療パートナーの競争力向上に貢献し、中東市場での成長につなげたい。それが今回の出展の狙いだ」と述べた。